NATURAL THERAPIES OVERSEAS

●セラピストから見るブレインジム●
2013年(嵯峨慈子)

今回はIMSIタイムスで初となる「ブレインジム」の紹介です。私が今も学び続け、日々の仕事や子育てにも、最も活用しているブレインジムについてご案内していきます。とてもシンプルなエクササイズをするだけなのに、思考や行動までにも深く影響するブレインジム。「身体の動きと脳は、本当に密接な関係があるんだな」と毎回実感するユニークなプログラムなのです。

 

ブレインジムとは?

世界各国の学校で導入されるブレインジム

読み書き、計算が苦手など、学力がスムーズにつかない人に対して、際立った効果がみられたことで全米に普及、その手法は「誰でも1できて簡単に続けられる」と言われ、現在までに世界約80ヶ国で導入されています。もともとは、学習障がいや発達支援が必要な子ども達に対する学力向上のために開発されましたが、現在では対象は広く子どもから高齢者まで広がり、ビジネスやスポーツの分野、音楽、芸術分野でも導入されています。

 

歴史と手法の背景

ブレインジムの誕生は今から約30年前、教育学博士で創始者のポール・デニソンによる「誰でも、素晴らしい才能をもって生まれてきている。教育では、それを引き出すことが大切である」という個性を意識したメッセージから始まっています。彼はリーディング(読む、読解力)専門の教育者で、あまり効果が得られなかった既存のメソッドの問題点を考慮しつつ、ひとりひとりの子ども達をじっくり観察することを始めました。

そこで、目の動きや身体の使い方について特徴があることを発見し、知性や学力を高める際に重要な発達学に加え、運動学、心理学、東洋医学、NLP (神経言語プログラム)、脳の専門家などと共に研究を進め、手法を確立させていきます。

ブレインジムは教育キネシオロジーとも呼ばれ、26種類の簡単な身体の動きに加えて、人間の脳が、どのように学び、どのようにして能力をつけ、成長していくか、という理論までを包括しています。

どのような人、状況でブレインジムを使っていますか?

国内、そして世界で活躍するブレインジムインストラクターの他、学校の教師やスポーツコーチ、他の専門家も自分の仕事の中にブレインジムを導入しています。

教育分野で

コロラドで行われた国際カンファレンス、教師、治療家など様々な職種が集まる

著者江藤さんが主宰する
マザーカレッジのカリキュラムに
取り入れられる

学校の中では授業前後の準備体操として導入され、クラス全体のやる気や集中力、授業態度、テストの得点などでもポジティブな変化が報告されています。

子供の学力向上、受験対策など頭をよくする体操としても教育関係者、塾の先生などが現場で取り入れています。

 

発達支援の現場で

勉強が理解できない、ついていけないと感じたり、学校生活に上手くなじめない子どもたちのサポートとして、先生が活用したり、両親、養育者の方が家庭で子どもと一緒に行っています。

競技スポーツで

海外ではサッカーや陸上など、オリンピックや国際レベルの選手を指導するコーチがトレーニングメニューに取り入れています。

ドイツサッカーの国代表チームのコーチがブレインジムを導入

ビジネス分野、仕事力の向上に

米国やカナダなどが先進国。プレゼンの作成、自分の意見を伝える、コミュニケーションの構築など、企業研修のプログラムに導入されています。

健康の維持増進、予防医学の現場で

治療家やセラピスト、こころのケアをする専門家が効果的にクライアントのストレスを軽減する手法として使っています。

介護、高齢者の現場

最近は米国本部から発行するブレインジム機関誌にも、この活動の報告が増えてきました。高齢者の認知症、老化防止の運動プログラムとして、また、介護する側のストレスを緩和するプログラムとしても使われています。

芸術活動

絵をかく、楽器を使う、声学の専門家、ダンサーなどがパフォーマンスを高めるため、練習の前後に行われています。

実際には、どのようなことを学ぶのですか?

米国教育キネシオロジー財団では世界共通の認定コースを設けています。このコースではブレインジムの方法とシステムを学び、同時に、能力を引き出すためには、脳をどのように使えばよいか、どのように動けばよいかを体験的に学んでいきます。多くの学校の先生、その他の治療家が自分の教え子や、クライアントに役立てるための勉強として参加しています。テーマが脳であること、そして個人の成長を妨げているブロックを取りのぞき、個人がもつ可能性を引き出す、という点から教育する側、提供する側にとっても効果が感じられ、評判になっています。

ブレインジムコースで使う道具、ロープやボールも使う

ブレインジムのプログラムは次の5つのステップで構成されています。

  1. ペース(脳と身体のウォーミングアップ)
  2. 目標の設定
  3. プレ・アクティビティ(前確認:心身の気づき、動きのチェックなど)
  4. 学びのメニュー(エクササイズ)
  5. ポスト・アクティビティ(後確認:心身の気づき、動きのチェックなど)

この中でも、もっとも特徴的なのが④のエクササイズです。身体の動きを使って脳を様々な角度から刺激し、統合をサポートしていきます。このレポートではエクササイズに加えて、目標設定とプレ・ポストアクティビティについて、簡単にお話してみたいと思います。

学びのメニュー(エクササイズ)

「行動の変化を期待するならば、脳も身体も、その両方にアクセスするのが近道です」

身体の正中線を越えて手と足を交差する運動「クロスクロール」や、あるポーズをとって深い呼吸をすることで緊張を取り、集中力を高める「フックアップ」というエクササイズなど、約26種類のエクササイズがあります。

ハードな運動ではなく、筋肉を伸ばすタイプのエクササイズもあれば、眼球を動かすような、部分運動もあります。右脳と左脳、両大脳半球を刺激する動きや、脳全体の統合を促すユニークな動作が特徴です。

両手でお絵かきをするエクササイズ

目標設定

「あなたの理想はどんなことですか?」迷ったり、思考が混沌としている時にお勧めのワーク。自分の理想を知り、言語化していきます。よりポジティブな成果に導くように、思考を整理していきます。

日頃、どのような言語が頭に中に浮かんでいますか?自分の能力が開花するような言葉ですか?それとも可能性を閉じてしまう言葉ですか?ブレインジムでは言語の扱い方にプラスして、最大限に成果を引き出す目標設定方法を学びます。

プレ・ポストアクティビティ(気づきの力を使う)

「気づきは、脳の再構築にパワフルに働きかけます」 気づきが脳に関係あるの?と思う方も多いでしょう。しかし、人間の発達学でも示されるように、知性、情緒など脳の発達には、動くこと、気づくことが深く関係しているのです。ブレインジムで行なわれる、この気づきワークは、先に紹介したエクササイズと同様に重要で、脳の中にある記憶や創造性の開発に大きく役立ちます。

具体例として、眼球を動かしてみたり、首を動かしてみたりしながら、動きやすさを確認する、身体を左右、上下、前後に動かして、脳がストレス状態にあるか、そうでないかを確認をしたりすることもあります。

いろいろなことが上手くできなかった子ども時代

沖縄のスイミングクラブがある施設、青い海、青い空に囲まれて

ここで私自身の幼少期について書いてみたいと思います。私自身、とても不器用な子どもでした。

特に苦手だったのが運動です。鉄棒、逆立ちなど、体操はできないから、苦手。ボールはうまくつかめず、怖い。友達の中で自己主張できるタイプではなかったので幼稚園、小学校に行くのも気が重かった思い出があります。

また、模倣が難しく、先生の動きの真似ができない。手順を覚えるのが苦手で、先生の話を理解するのも難しかったのです。

工作でも実験でも、友達をみてキョロキョロしながら取りかかるので、なにせ時間がかかる、時間内に終わらない→焦る、緊張する→失敗する→自信を喪失していく、という悪循環の連続でした。

もちろん、勉強もよくわからない。家族の仕事の関係で転校も多く、四つの小学校に通ったほどで、友達ができるか、皆と仲良くなれるか、いつも緊張していました。 そんな私も小学校4年生の時、沖縄に転校、面白い先生のもとで水泳をするようになってから変化がありました。その先生は「野生人」という言葉がピッタリあてはまりそうな人で、泳ぐ以外にも、いろんな練習をする人でした。

プールに集まっているのに、「今日は海」とか言いながら、進路変更。ヨットにのったり、時にはヨットの上から飛びこみをしたり!(笑)、砂浜へ行けば、大きなタイヤを並べて、そこで跳んだりする練習を!すぐ隣にある体育館では、でんぐり返しや横歩き、手押し車などの動きをたくさん。泳ぐ時間も当然ありましたが、思いっきりの総合運動でした。

この時期から面白いことが起こりました。学校の勉強がとても理解できるように、それから、少しずつ、体育や図工の時間も嫌でなくなってきたのです。友達とも自由に遊べるし、先生の説明がよくわかる、算数の問題も解きたいな!というのは4年生の冬にして、初めての感覚だったと覚えています。水泳では約2間年で県大会、九州大会で優勝するくらいになっていました。小学校にあがった時には顔が水につけられなくて大泣きし、学校も嫌だった私からすると、自分では信じられないような変化でした。

 

最初は怖かった海の体験、ヨットの揺れる感覚は特別

今、ブレインジムの手法だけでなく、そのバックグランドにある脳のこと、身体のこと、能力のことを深く学んでみると、沖縄の頃、毎日行っていた「動き」が脳の構築において、よいものばかりが集まっていた宝の山だったことに気づきます。

海で泳いだり、ヨットの上で感じる「揺れる感覚」、でんぐり返しやクイックターンなど「身体の回転・方向転換」などの要素が入った身体の動きは、脳の前庭にアプローチしますし、手足を交差して動かすクロールや、その反対で手足を左右同時に動かす平泳ぎなども、ブレインジムのコンセプトである、右脳と左脳の統合が見事に含まれている動きなのです。

ここまで私の子ども時代の話を書きましたが、ブレインジムを学び始めた当初、もっとも驚いたことは「沖縄のスイミングクラブで身体を動かすことを始めてから、急に運動も勉強もラクになった、計算力も記憶力もよくなり、友達も簡単につくれるようになった」という出来事が、単なる偶然ではなく、神経発達学的にも、脳の効果的な刺激法としても、意味があったと知ったことです。

 

そんな私も小学校4年生の時、沖縄に転校、面白い先生のもとで水泳をするようになってから変化がありました。その先生は「野生人」という言葉がピッタリあてはまりそうな人で、泳ぐ以外にも、いろんな練習をする人でした。

プールに集まっているのに、「今日は海」とか言いながら、進路変更。ヨットにのったり、時にはヨットの上から飛びこみをしたり!(笑)、砂浜へ行けば、大きなタイヤを並べて、そこで跳んだりする練習を!すぐ隣にある体育館では、でんぐり返しや横歩き、手押し車などの動きをたくさん。泳ぐ時間も当然ありましたが、思いっきりの総合運動でした。

この時期から面白いことが起こりました。学校の勉強がとても理解できるように、それから、少しずつ、体育や図工の時間も嫌でなくなってきたのです。友達とも自由に遊べるし、先生の説明がよくわかる、算数の問題も解きたいな!というのは4年生の冬にして、初めての感覚だったと覚えています。水泳では約2間年で県大会、九州大会で優勝するくらいになっていました。小学校にあがった時には顔が水につけられなくて大泣きし、学校も嫌だった私からすると、自分では信じられないような変化でした。

今、ブレインジムの手法だけでなく、そのバックグランドにある脳のこと、身体のこと、能力のことを深く学んでみると、沖縄の頃、毎日行っていた「動き」が脳の構築において、よいものばかりが集まっていた宝の山だったことに気づきます。海で泳いだり、ヨットの上で感じる「揺れる感覚」、でんぐり返しやクイックターンなど「身体の回転・方向転換」などの要素が入った身体の動きは、脳の前庭にアプローチしますし、手足を交差して動かすクロールや、その反対で手足を左右同時に動かす平泳ぎなども、ブレインジムのコンセプトである、右脳と左脳の統合が見事に含まれている動きなのです。

ここまで私の子ども時代の話を書きましたが、ブレインジムを学び始めた当初、もっとも驚いたことは「沖縄のスイミングクラブで身体を動かすことを始めてから、急に運動も勉強もラクになった、計算力も記憶力もよくなり、友達も簡単につくれるようになった」という出来事が、単なる偶然ではなく、神経発達学的にも、脳の効果的な刺激法としても、意味があったと知ったことです。

砂浜でよく走った、今は親子で走る

あらためて、沖縄の先生との出会い、そして、その貴重な体験を根気強く応援してくれた両親に深い感謝をするきっかけとなりました。加えてブレインジムでは、あんな簡単な運動なのに、私が沖縄で体験したような環境、体験、指導者がそろわなくてもできると思うと、その可能性にワクワクしました。

ブレインジムはセラピストに有効か?

フェイシャルリフレクソロジーのテキストにブレインジムがのっている

海外では教育関係者だけでなく、作業療法士、理学療法士、その他の治療家がブレインジムを学び、現場で活用しています。今までに国内外の専門家と一緒に話していて、よく耳にすることは、「変化が違うから」「導入がシンプルで効果的だから」「大人にも、子どもにもいいから」という声です。私自身も同じ感想をもっています。

ブレインジムでは身体の動きを使って自然な方法で脳を作る、よりストレスのない状態に作りかえていく、ということをします。より、自然な方法でパワーを引き出す自然療法との共通点も多く、組み合わせることで相乗効果が大きくなります。フェイシャルリフレクソロジーのロネ・ソレンセン先生も、自らの開発した手法のコーステキストにブレインジムを紹介しています。私自身もブレインジムを導入することで、クライアントの変化が大きく、早いことを発見しています。コンサルテーションにも、施術にも組み合わせることができます。ここでは、アロマセラピーやリフレクソロジーにブレインジムを導入する有効性とその理由についてとりあげてみたいと思います。

「病気や症状を治すのではなく、その根っこにアプローチするのが自然療法だとしたら、その根っこは脳であることが多い」

アレルギー、ホルモンの不調、うつや精神疾患、不妊や発達障がいなど、一般的に西洋医学の治療にたいして、疑問を感じる分野で代替療法や自然療法を選ぶ人が多い現実があります。これらの問題をさぐっていくと、最も大切な身体の部位として人間の最高中枢である「脳」が浮かび上がります。

 

脳のいろいろな部分へアプローチするので
クライアントの悩みを聞くときも、施術でも活用大!

アロマセラピーでは、脳の大脳辺縁系へ、リフレクソロジーでは脳を含む、内臓全般へアプローチすることが分かっています。しかし、複雑な健康問題は脳の中のもっといろいろな部分と関係しています。ブレインジムのテーマは脳全体の統合と再構築をすることです。アロマセラピーやリフレクソロジーで影響力が少ないといわれる思考の部分、考え方、気持の持ち方、コミュニケーション、意思表現、行動の変化にもアプローチしていくことができます。

もし、アロマセラピーの一度のセッションで、香りの効果を感じると同時に、思考や感情、行動面での変化も引き出せたら、どうでしょう?可能性が広がるとは思いませんか?

さらには、セラピー特有のコンサル、カウンセリングをもっと効果的に行うことができます。セラピーに来るクライアントは、心身の不調を訴える方が多いですね。コンサルやカウンセリングにおいて、一般項目を質問していくと、どうしても病気の話、ストレスの話、クライアントにとってネガティブに捉えていることを中心に話が進みます。結果、クライアントの脳は概してネガティブに方向づけらます。セラピストも自然療法と言いつつ、「○○が不調だから、○○効果がある精油をつかって、○○に対応します」という対処療法的なリードを取りがちになります。

「不安やネガティブで話が終わると、ネガティブな脳はそのまま維持されます」

ここで、ブレインジムを導入です。脳のストレスを取り除き、自由で自然な力が引き出せるようにしていくのです。脳の中の整理をサポートしたり、時にはその場で、動きのチェックを行い、思考や感情の状態を確認します。そして、クライアントが本当に望んでいる理想をみつけるお手伝いをしていきます。

その他、精油の選び方にも応用できたり、技術に導入するなど、いくつかの方法があります。わずか10分程度の導入でもクライアントの変化は大きく期待できるものとなるでしょう。

 

アロマセラピーにもブレインジム導入して深いセッションをする

世界の情報発信中!

ブレインジムにプラスして能力の開発をテーマに世界で活躍する方を写真付きで紹介していきます。

Efthimios Kompodietas(エフィー)さん

エフィーさん緊急来日、代々木公園でのワークショップ、トップアスリート系のエクササイズも披露してくれました!

常に世界の頂点を争っているドイツサッカー。そのサッカーのナショナルチームの脳&メンタルトレーニングを指導したり、ドイツの1部チームでプレーする日本人の岡崎選手や内田選手の指導もしていたというエフィーさん。世界で1、2位を争う選手でさえ、失点につながるミスやケガ原因で、良いプレーができなくなったり、プレッシャーに負けそうなったりすることもあるそうです。いかなる状況にあっても、ベストパフォーマンスを出していくには、脳の使い方がキーポイントとのこと。

エフィー氏はサッカーだけでなく、他の種目のオリンピック選手など、多くのトップアスリートも担当しています。ブレインジムに加えて独自で開発した視覚トレーニング、テニスボールを使ったコーディネーショントレーニングなどを組み合わせ、選手の運動神経を開発するだけでなく、逆境に対してベストパフォーマンを引き出すバランス力の強い脳づくりに貢献しています。

Paula Oleska (ポーラ・オレスカ)さん

いかに「感情」とつきあい、活用するか、大人になってもできるワークインストラクターが感動した

米国ニューヨーク在住のキネシオロジスト。2012年の国際カンファレンスでは、感情脳についてのワークショップをして、参加していた世界中のブレインジムインストラクターから感動の拍手がおくられていました。感情と脳の発達についての関係を解説した後、「小学生に上がると感情に対する教育をうけるチャンスが少なくなるので、就学前が最も大切な時期なのです。」「でも、もし、あなたが感情について課題をもったまま、大人になっていたとしても、まだ、遅くないのです。今から、脳の中につながりを作っていけばよいのですから」というメッセージは、会場にいた教育関係者が大きく勇気づけられていました。

会場となったコロラド大学行きのシャトルバスで偶然、一緒になったことから親しく会話をするようになり、カンファレンス中は仕事の話をしたり、交換セッションをたくさんしました。脳に対する学びと、プロとしての経験の深さは尊敬するものがあります。脳の再教育をテーマに、「感情」だけでなく、「人生の豊かさ」や「お金」に対するセミナーも行われています。今年の2月にプライベートでニューヨークを訪問したときには、親子でセッションを受けたり、怒りについて深める勉強会をして頂きました。私自身が「もっと学びたい、また会いたい、ワークショップを受けたい」と心から感じる専門家でもあります。

ニューヨークのオフイスも訪ね、ポーラさんから学び中

Pamela Curlee (パメラ・カリー)さん

私がブレインジムインストラクターを取得した際の恩師、パメラ・カリー先生。現在は脳障がいをもつ子どものため、世界中から注目される原始反射のプログラムのインストラクターをしています。全米、そして海外での講演活動が多く、世界各国を飛びまわっています。私はブレインジムインストラクター養成クラスの時に、このパメラから、よく「 YOSHIKO、待て、待て!」と言われましたっけ。理論や手順で頭でっかちになりがちになったときに、待つことを体験的に教えてくれた人です。目の前にいる人の成長を引き出すことにかけては、また、ブレインジムを楽しく教えること、理屈でなくて経験から教える、にかけては、ピカいちの先生なのです。

 

Marcelle Shaman Goldsmith (マーシェル・ゴールドスミス・シャーマン)さん

南アフリカのマーシェル先生。フットリフレクソロジーで国家資格に導いたインガ先生も南アフリカ在住ですね。もともとは作業療法士として病院や学校に勤務されていましたが、ブレインジムに出会って、その効果に驚き、すぐにブレインジムをスクールシステムの中に導入させた方です。現在では個人のオフィス以外に、学校の中に小さなスペースを使って、特別支援が必要な子どもたちのワークを担当しています。

彼女の仕事はブレインジムに原始反射の調整を組み合わせ、それを楽しみながら行うという「チルドレン・フレンドリー・アクティビティ」を実践しています。風船やバランスボール、色とりどりのループなども取りそろえ、子ども達が楽しみながら、夢中になっているうちに、脳が統合されていた!というようなメニューを行っています。

マーセルさんのコースは、ブレインジムを学校で導入するときの数々の手法が学べる!

Alex Doman (アレックス・ドーマン)さん

脳と聴覚、音楽の研究開発を日々行っているドーマンさん

CDの音楽はテーマ別になっている

子どもが絵をかく時にも音楽を活用中

人間の発達において国際的なパイオニアを父、祖父に持つドーマンさん。Advanced Brain Technologies という会社を設立され、脳の開発で欠かせない聴覚のプログラムをプロデュースをしています。

音楽による聴覚、脳の研究や、音がストレスにどう関係しているか?など科学的な研究もしています。

脳に刺激を与えるいろいろな音楽を開発していて、CDでは赤ちゃん向けのシリーズや、一般向けのラーニング(学習)、プロダクティビティ(生産性)、ディストレス(ストレスの緩和)など10種類以上の音楽があります 。

私自身はIMSIの授業でもセッションでも、自宅でも頻繁に使っていて、頭も身体もそして、ハートも調和する音楽を特に気に入っていています。この音楽は日本でも購入することも可能です。

 

おわりに

私がブレインジムインストラクターになったのは、日本でもっともの初期の頃、まだ国内に協会もなかった頃です。しかし、すでに世界各国に事例があり、効果が報告されていたこと、そして何よりも自分自身に及ぼしたポジティブな変化は計り知れないほどありました。

 毎日の生活をスムーズにしたい人はもちろんのこと、人の健康を課題に活動するセラピストも、「脳」を味方につけたら、どんなに効果的なセッションができるだろう、と可能性を感じたのを覚えています。脳の使い方を変えるということは、ときに人生にとって劇的な変化を及ぼすこともあります。

 そして、誰にでも、自分の中に眠る自然の力を引き出すチャンスがあります。

私自身、今までの体験してきたことや学んだこと、出会いを活かし、自身の可能性を広げたいと思っている人々に向かって、役に立つプログラムを継続していきたいと思います。

皆、誰もが、自分を生かし、幸せと思う道へ。

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