NATURAL THERAPIES OVERSEAS

●ディエンチャンの今●
2015年(矢野こずえ)

2015年はベトナム医道ディエンチャンが誕生して35周年の記念の年です。
今回、ベトナムのホーチミンで行われたディエンチャン35周年記念行事に参加してまいりましたので、その様子をご紹介いたします。

私がディエンチャンと出会ったのは、2012年のことです。当時、祖母の体調が思わしくなく、「一緒にいる時間に何かできないだろうか……。」と考えていた時に、顔をこすったりつついたりといった刺激を与えることで体調の改善に役立ちそうなディエンチャンを知り、興味を持ちました。寝ていることが多くなった祖母でも、常に出ている顔なら負担なく受けてもらえるのではないかという期待と、「少しでも辛い時間が減って、楽に過ごしてくれたら」という思いで、ディエンチャンを学ぶことにしたのです。

 2013年に基礎コースを学び、2014年にアドバンスコースを学びました。普段は事務局担当として仕事をしていますので施術をする機会は少ないのですが、イベントでの施術や身近な人などへの施術を重ねてきました。もちろん、セルフケアにも活用しています。素晴らしい職場環境のおかげで、ディエンチャン棒片手に仕事を進めることができるのです!

 また、仕事を通して、ディエンチャン基礎コースやアドバンスコースの受講生のお話を聞いたり、卒業生の方達とイベントで交流したりしていく中で、「もっとディエンチャンを沢山の方に知って頂いて、イキイキと暮らしていく方が増えたらいいな」と思うようになりました。

 日頃、授業の様子をフェイスブックでお伝えしたり、チャウ先生が来日した時にはあれこれお話を聞いて皆さんにお届けしたりしているのですが、ベトナムでは治療として使われているとのことなので、「いつかはベトナムでその様子を実際に見てみたい!」と思っていた矢先に、ディエンチャン35周年記念行事のお話が届きました。奉仕の施術や過去の施術体験談の発表などがプログラムに入っていて、「ベトナムでこんな経験ができることはなかなかないチャンスだ!」ということで、1週間に渡るディエンチャン35周年記行事に参加することになったのです。

 2015年の8月上旬は日本の暑さが厳しかったせいもあって、ベトナムは日本より南にありますが過ごしやすく感じました。13日の朝9時に、ホーチミン市内のベトナム医道センターに今回の記念行事に参加するメンバーが集合しました。フランスのディエンチャンアカデミーのイエン先生の下でディエンチャンを学んだ方達で、フランス、アメリカ、数か国を行き来している方とそれぞれにご活躍されているとのことでした。

ルアン先生の前に並ぶ患者さん達

自己紹介の後、早速センターでの施術の見学と、実際に来訪者に施術をすることになりました。既にセンターにはたくさんの患者さんが詰めかけています。

お部屋の前方には、2014年に来日したチャウ先生の三男のルアン先生が座り、次々と患者さんに施術していきます。

 

イエンが解説してくれます

イエン先生が通訳をし、今回のツアー参加者はメモを取ってその症例を学んでいきます。

 

ベトナムの修了生も施術していました

ベトナムの修了生も3名施術していました。

 

ツアー参加者も施術をしました

しばらくすると、ツアー参加者数名は実際に患者さんに施術を始めました。

 

タム先生が患者さんの主訴を
チャートを使って説明してくれました

主訴を聞いて反射区に施術していきます

少し遅れて、チャウ先生の長男のタム先生も現れました。
タム先生も2012年に来日されています。

早速、待っている患者さんに施術していきます。

 

ツアー参加者がローラーで施術しています

タム先生は、自分の担当の患者さんの施術が一段落すると、ツアー参加者の施術を見て指導していきました。

ローラーで顔を刺激しているツアー参加者に「サロンパスを貼ってみて。」と声をかけます。

 

タム先生がサロンパスの切り方を指導

切る様子を見ていたタム先生は、「こうやると早く切れるよ。」と実演して見せてくれました。

さすがに早くてきれい!

 

更に、サロンパスの上からツボを押すように指示します。
参加者の押し方を見てからタム先生が交代してツボを押して説明します。

先生のそばで症例を記録している修了生

実際の患者さんを相手に施術の指導を受けられるなんて、本当に貴重な機会です。

ベトナムの修了生も、そばで熱心にメモをとっていました。

こうやって症例を学んでいけるなんて、ホーチミンにいる方がうらやましいですね。

 

その後、タム先生はまた患者さんの施術に入りました。
肺がんの患者さん、舌がんの患者さんと重症の方が施術を受けに来ていました。

施術の他にも、日本では販売していない道具の数々に興味がわきました。
電池を入れて使うツボ探し棒があり、通常のツボ探し棒より短い施術時間で済むパワフルなものなんだそうです。

症例を発表するタム先生

施術だけではなく、施術者の症例の報告会もありました。

タム先生から基本を大切にするようにというお話もありました。
タム先生のような経験が豊富な方も、基礎コースで学ぶ基本を忘れずに施術を重ねているというお話には、改めて初心に還る大切さを思い出すいい機会になりました。

ディエンチャンを学んだ誰もが大切にしていくべきことですね。

 

記念行事では、身体の不自由な方たちとの交流もありました。ホーチミン市中心部から車で1時間ほどの距離にある小さな村に行きました。ここでは、11名の方たちがツアー参加者を迎えてくれて、歌を歌ってくれました。ここではディエンチャンの施術は行わなかったのですが、チャウ先生が「ベトナム国民を幸せにしたい」という願いのもとディエンチャンを発展させてきた、その心を体験する貴重な機会となりました。

大きな修道院を訪ねました

また、修道院で施術する機会もありました。

 

記念行事では、身体の不自由な方たちとの交流もありました。ホーチミン市中心部から車で1時間ほどの距離にある小さな村に行きました。ここでは、11名の方たちがツアー参加者を迎えてくれて、歌を歌ってくれました。ここではディエンチャンの施術は行わなかったのですが、チャウ先生が「ベトナム国民を幸せにしたい」という願いのもとディエンチャンを発展させてきた、その心を体験する貴重な機会となりました。

残念ながら私はベトナム語が話せないのですが、とても喜んで施術を受けて下さいました。目から伝わってくる感謝の気持ちに、私も胸がいっぱいになりました。

メインイベントの記念式典は、ホーチミン市の目抜き通りにある立派なホテルで開催されました。参加者は300名近くになったそうです。

式典では、チャウ先生からディエンチャンの35年の歴史についてお話がありました。会場ではたくさんのスライドも見ることができて、チャウ先生から聞いてきたその歴史を垣間見ることができました。ディエンチャンの歌の演奏があったり、フランスのディエンチャンアカデミーのイエン先生やたくさんの関係者、施術者、患者さんの体験報告があったりで、食事を含めて朝の9時から夜の9時過ぎまで、盛大に式典は執り行われました。

300名近い参加者が集まりました

ディエンチャンを本場ベトナムで体験できたことは、今後「もっと日本でディエンチャンを多くの方に知ってもらい、イキイキと幸せに暮らす方が増えて欲しい」という私の思いを益々強くすることになりました。

セルフケアやファミリーケアにも大変役立ちますし、人の力になることも出来るディエンチャン。

まだディエンチャンを体験したことのない方は、是非一度体験してみて下さいね!

 
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