●IFPA日本支部が誕生しました!●
IMSI学院長 冨野玲子
2002年4月25日、英国の国会上院(貴族院)にて英国最大のアロマセラピスト協会IFPA(The International Federation of Professiona l Aromatherapists)の設立式が行われました。
それから約12年後の今春……、国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟IFPA日本支部が誕生しました!
日本のIFPAアロマセラピストたち、そして私自身にとっても、待ちに待った日本支部の誕生です!
イギリス式のアロマセラピーとは?
日本では「雑貨」としての意味合いが強いアロマセラピーですが、イギリスでは「補完療法」としての地位が確立しています。イギリス王室が補完療法を推進し、サポートしているのです。
例えば、病院の中で、病気の箇所を切り取ったり、症状を薬で抑えたりするのは医師の仕事ですが、セラピストは自然の力で患者の自然治癒力を促進しながら、痛みのケア、むくみのケア、食欲や睡眠の改善、精神のケア、コミュニケーションのサポートなど、全人的なケアを行っていきます。患者が無料や健康保険適用でケアが受けられるシステムなども整っている所が多くあります。
もちろん、病院で働くばかりではありません。多くのセラピストが開業という道を選び、人々の健康増進、疾患の予防や慢性疾患のケアなどを行い、地域社会の中で役立っているのです。多くの方が、不調を感じてからセラピストの元を訪れるのではなく、定期的に通い、個々の体質に合ったテイラーメイドのケアと健康指導を受けています。
セラピストの中には、80歳を超えている方もいらっしゃり、祖父母、親、子と3代の面倒を見ているというセラピストも少なくないのですよ。
セラピストは「リラクセーション」ではなく、あくまでも「補完療法」の専門家です。そのため、十分に解剖生理学や病理学などのトレーニングを受け、マッサージスキルなどの専門技術を持ち、資格を保持し、保険に入っていることが条件で、卒業後も専門的な分野で学び続ける必要があるのです。
イギリス式アロマセラピーがIMSI発祥のきっかけ
IMSIの発祥は、精神医学を専門としていた初代校長が、英国でアロマセラピーに出逢って感激して現地で学び、1994年に神戸でアロマセラピースクール(JAC)を立ち上げたことに遡ります。日本の協会には所属せず、「本場英国の補完療法としてのアロマセラピー」にこだわり続けたのが、このスクールの特徴。
当時は、アロマセラピーが「雑貨」としてブームになりつつあった時代でしたが、精油の持つ薬理作用や、クリニカルな現場での活用、そしてアロマセラピートリートメントの有用性に着目したプロフェッショナルコースを開講し続けた結果、1999年にIFPAの前身である英国ISPAの日本初の認定校となりました。
2001年に東京に拠点を移し、東京でISPAコースを開講し始めた丁度この頃、私がイギリスにて英国RQAの資格を取得し、帰国して初代校長と出逢い、講師として加わりました。その翌年の2002年に英国でISPAとRQAという二つの協会が合併し、晴れてIFPAが誕生したのです(因みに、私の恩師であるガブリエル・モージェイ先生はIFPA初代共同会長の一人です)!
日本で補完療法としてのアロマセラピーの発展を目指す!
設立から12年。
その間も、英国IFPAは発展し続け、今日では、IFPAのカリキュラムは英国の大学の教育課程にもなっており、大学の教育課程の水準を示すThe National Qualifications Framework (NQF)ではレベル4と認められています。
英国の様々な医療機関で活躍している多くのアロマセラピストが、IFPA認定アロマセラピストです。
日本でも、認定校の仲間が少しずつ増えていきました。東京のMHスクール・オブ・ホリスティック・スタディーズさん、京都のジャパン・エコール・デ・アロマテラピー(JEA)さん、福岡のギルフォード・カレッジ・オブ・アロマセラピーさん、北九州のペニープライスアカデミーさんです。
本部が英国にあり、書類も全て英語でやり取りをしなくてはならない英国の協会ですから、認定校の校長先生達は皆さん英国在住経験があるなど、英国との縁の深い人たちばかりです。同じ志を持った数少ない認定校同士、「イギリス式のホリスティックアロマセラピーを広めよう!」という同じ目標のもと、いつも仲良く、助け合いながら活動させて頂いていました。
しかし、大きなアロマセラピー業界では、私たちはあくまでも「少数派」。そして、地域もバラバラ。「もっと一緒に活動出来たら、英国式のアロマセラピーが少しでも広げられることが出来るかもしれない……。」「イギリスと同じように、日本でも組織を作り、同じ志を持つ英国IFPAアロマセラピストが集うことが出来たら……」そんな想いが募っていきました。
転機は、2012年11月、関西で開催された第2回IFPAジャパンカンファレンス前日の認定校ミーティングで訪れました。ここで、カンファレンスと認定校の講師トレーニングのために来日していたViv Hinks先生より、英国本部から、日本支部設立の許可が下りたことを突然発表されたのです!「英国IFPAがサポートするから、日本で独自に組織を作って活動なさい」と。
日本支部開設までの道のり
そこから、各認定校で、数えきれないほどのメールと電話のやりとり、飛行機や新幹線を使って遠路遥々移動してのミーティングを重ねました。そして、「まずは日本語で会員をサポートし、IFPA認定アロマセラピストの輪を広げて行こう!」と活動の第一歩を踏み出しました。
IFPA日本支部代表には、北九州のペニープライスアカデミーの塩田知恵子先生が就任。日本支部事務局は、京都のギル佳津江先生を事務局長とし、ジャパン・エコール・デ・アロマテラピー(JEA)さんのオフィス内に設置することになりました。また、私は教育担当理事に就任させて頂き、更にIMSIが実務部隊として、会員のためのジャーナル「In Essence」の制作や、カンファレンスの企画と運営などを担当することになりました。
このように、まさに認定校校長とスタッフの「手作り」状態で支部の運営が開始。一歩一歩少しずつ前に進みながら、規約の翻訳、スクールマニュアル作成、会員の皆様の更新書類や入会案内の作成、パンフレットやホームぺ―ジ、そしてジャーナル「In Essence」の創刊号の制作など……。それぞれの認定校が、通常業務を行いつつ、少しずつ準備を進めていきました。
そして、晴れて、2014年4月に社団法人国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟IFPA日本支部が誕生したのです!
IFPA日本支部の今後の活動
IFPA日本支部の設立の本当の目的は、「英国式のホリスティックアロマセラピーを日本で普及・発展させていくこと」ですが、それにはまず、認定校が質の高いアロマセラピストを輩出し、日本の会員をサポートし、そして会員が集う場所を作っていくことが必要なってきます。 そこで、IFPA日本支部は、次のことを実行していきます。
- 日本認定校のためのスクールマニュアルの整備、講師トレーニングなど認定校の質の向上
- 日本の会員への入会・更新手続き
- IFPAジャーナル「In Essence」の日本語版発行(年2回)
- 日本国内における広報活動
- IFPA本部の連絡窓口
- IFPAジャパンカンファレンス主催(2年に1回のカンファレンスに加え、小規模イベントも各地で開催予定)
- IFPA認定校主催「IFPAアロマセラピストのための勉強会」主催(正会員無料)
IFPA認定校主催「IFPAアロマセラピストのための勉強会」主催(正会員無料)
IFPAに入りたい!という方へ
英国IFPA認定アロマセラピーディプロマコースで学ばれる方は、そのままIFPA正会員として道が開かれています。これからアロマセラピーを学ばれる方は、是非、英国IFPA認定アロマセラピーディプロマコースで本物の補完療法のアロマセラピーを学ばれてください。他校で基礎を学ばれた方は、ディプロマコースへの編入制度も設けていますので、気軽にお問い合わせくださいね。
また、IFPA正会員でなくても「一般会員」「学生会員」というカテゴリーも設けられています。「一般会員」は、どなたでも、IFPAの趣旨にご賛同頂ける方であれば入会が可能です。「学生会員」は、IFPAコース在学中の方、また、IFPAコースでなくてもIFPA認定校(つまりIMSI)在籍中の方であれば、どなたでも加入することが可能です(学生会員の最長入会期限2年間)。各カテゴリーの特典や詳細については、IFPA日本支部のウェブサイトをご覧ください。
http://ifpajapan.org/
この秋は、本場イギリスの補完療法に触れるチャンス!
IFPA日本支部開設記念の今年は、これまで以上に本場イギリスの補完療法に触れるチャンスですよ!
まず、私の恩師のガブリエル・モージェイ先生が、5度目の来日を果たします! 今回のテーマは、ズバリ「精油」!東洋医学的な診立てに合った精油を現場で正しく応用していくために、60種の精油について、最新のリサーチエビデンスに基づく薬理作用と東洋医学的作用の両面について広く、深く学んでいきます。「精油の知識に自信が無い……」「もっとドンピシャリの精油選びがしたい!」という方、是非ご参加ください!
ガブリエル・モージェイ来日
ITMHA認定アロマセラピー・ダイナミクス・サーティフィケイトコース
~東洋医学の身体の診立てと60種類の精油の考察~ 2014年10月17日(金)、18日(土)、19日(日)
そして、英国ロイヤルフリーホスピタルからIMSIに初登場! 年間2万1千人の患者をトリートメントする補完療法チームを率いるキース・ハント氏の来日ワークショップを開催します!
20年前に病院で始めた補完療法サービス。無料のサービスに関わらず、当初はたった60名しかサービスを受ける患者さんがいなかったそうです。それが……、補完療法チームが着々と臨床を積み上げ、患者さんに合ったサービスを工夫して提供し、医療従事者との連携システムを構築し、20年間継続してきた結果、今では全世界から補完療法チームの活動が注目され、2013年に英国王室から勲章を授与されたのです(日本でもセラピストが勲章を授与される日がいつか来るかな?)!!
ワークショップでは、キース氏がロイヤルフリーホスピタルで提供している補完療法メニュー、様々なストローク実技、患者に人気の背中、腹部、顔のマッサージ、セラピストの在り方、患者とのコミュニケーションなどの情報を、惜しみなく日本の皆様にシェアしてくださいます。特に、「認知症患者のケア」や「痛みの緩和」に役立つ様々なテクニックが満載です!クリニカルな現場での活動を目指すセラピストの方、医療従事者の方、ご自宅で介護や看護を行っているセラピストの方など必見のワークショップですよ!
英国ロイヤルフリーホスピタルよりキース・ハント氏来日
セラピストと患者のためのクリニカルケア 2014年11月29日(土)
http://www.imsi.co.jp/course/aroma/holistic.html
そして……、第3回IFPAジャパンカンファレンスを東京で開催します!! 前述のキース・ハント氏を始め、国内外の統合医療現場で活躍するセラピスト・医療従事者をスピーカーに迎え、「統合医療の中のアロマセラピー」をテーマに、最先端の情報をお届けします。また、各認定校講師による実践的なワークショップ、アロマセラピー関連の最新の商品や情報が入手できるブースも充実。懇親会では、スクールや協会の壁を越え、セラピスト同士の交流を深める良いチャンスです。
IFPAジャパンカンファレンス2014
2014年12月7日(日)
http://www.imsi.co.jp/course/aroma/ifpa2014.html
皆様、今から手帳に予定を書いておいてくださいね~!
英国IFPAが誕生し、そして私自身も本格的にIFPAコースを教え始めて12年。初心をいつまでも忘れずに、本当の補完療法をお伝えしていけるよう、これからも前進していきたいと思います!
英国IFPA認定アロマセラピー ディプロマコース
http://www.imsi.co.jp/course/aroma/diploma.html