●アート×教育で学びが深まる!開花する!●
2014年(嵯峨慈子)

アメリカから来日されたリサ・ドノハン氏
2014年5月24、25日に米国よりリサ・ドノハンさんが来日され、国際来日セミナー「アートと教育『ARTS Integration』」が行われました。
参加者は全国から約30名、小中学校の教師、美術教師、発達支援級の教員、子どもたちにアートを教えている専門家、英語指導者、臨床心理士、アートセラピスト、医療従事者、それからママさんなど、いろいろなバックグラウンドの人が集まりました。
皆さんアートを使って自分の潜在能力を知りたい、高めたいという方、それから、指導者としてすぐにプログラム化できるものを持って帰りたいという方がほとんど。2日間のセミナーでは、アートを「教育プログラム」に活用することを目的に理論から実践的なプログラムが紹介されました。
アーツ・インテグレーションとは?

まずは綿棒を使う

今にフォーカスするアートワーク
米国で行われている実践研究および、学問。アートを使って他のカリキュラムと融合して、効果を高めること。
例えばビジュアルアートをつかって算数を学ぶ、ダンスをつかって理科を学ぶ、ドラマをつかって社会を学ぶ、などがアーツ・インテグレーションです。
一言でいうと「アートをつかった主要教科の学び」ということです。
アメリカやカナダでは学校ごとの比較したデータなどもあり、「楽しくてわかりやすい」という効果があることが明らかになっています。
セミナーで提供された学びのプログラムは?


自分を知るためのワーク
- 「今」にフォーカスするアートワーク
白画用紙とクレヨンのみで行う5分適度のワーク、床か机の上で。 - セルフレファレンス(自己の参照)の制作
自分を表す言葉を並べ、文字で単語をつづる。自分がいる環境が、生きてきた過程が自分のレファレンスと影響している。 - アートを用いた自己紹介の方法
コミュニケーションビルディングにアートを導入する例。レファレンスの中から、いくつか、項目をしぼって表現する方法を学ぶ。 - ロール紙を使った全体アート制作
使用した道具は黒インク、綿棒、消しゴム、クレヨン。作業途中で休憩したり、作業場所を移動したりして、アートワークによる変化を感じる。 - 身体の動きと音を使った短時間コミュニケーション形成
全員同じワークやひとり一人違うワークを選んでもらう。 - 「波の話」からグループで身体表現をする
- 「書くこと」「表現すること」を学ぶ
- 算数、国語など教科について、アートの用い方の事例を確認する
- 物語をつくる練習法、個人&2人組ワーク
- クロージング
全員で作った絵を人数分にカットして、それを一枚とりながらコメントをひとつ話す。
アーツ・インテグレーションの事例はこちらの米国のウェブサイトに掲載があります。
http://www.artsedsearch.org/
リサ先生が時折触れていたこと

どんなことを学びたいか、全国から専門家があつまる

作品はできよりも、
課程での学びを重視する
「子どもが何かを学ぶときには、まずは自分のこととしてとらえてもらうことが大切。自分の内側で考えられ、感じ、試していく、という流れの中で理解や分析、創造性などが自然に養われていく」
「学校教育のような集団の中での学びでは、どのワークを、どのように設定しても、必ずHAPPYに行う子、イマイチやりにくそうな子、気持ちが動かない子など、必ずでてくるもの。
ただ、ここが価値のある教育現場となる。自分の視点に気づいたり、他者と視点が違うことを学んだり、これがコミュニケーションの場となる」
2日間の振り返り

両手を使って描くブレインジム

風船で脳体操と身体を使った遊び

国内活動のリーダー小野先生と
檜森先生とリサ先生を囲んで
全国から集まった方が明日からこのワークを現場ですぐに実践したいと、ポジティブに自信をもって話されていたのが印象的です。このセミナーでは、子どもから大人まで役立つことがいっぱいでした。「創造性の構築」や「学び」を自分のものとして吸収すること、自主性、自己と他者のコミュニケーションなど、教育的価値としてアートを使うなんて、とてもユニーク!
私もブレインジムセッションや原始反射のワークの時にアートを使い始め、その効果と可能性に驚くだけでなく、かなり活用しています。日々いろいろな活動の中で、よりパフォーマンスをあげたいときの20分。アート脳の刺激が面白いです!