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●ニューロフット ベーシックコース第一期開講レポート●
2010年(五十嵐桂子)

ニューロフットは、リフレクソロジストが行うカイロプラクティック

今年2010年、ロネ・ソレンセン念願のアドバンスコースが新たにひとつ、この日本でも開講されることになりました。
「西国IR認定ニューロフットリフレクソロジー・ディプロマコース」です。

ロネのスペイン語通訳を7年に渡り務めている私ですが、もう何年も前からこのコースの話をロネが来日の度に熱く語っているのを毎年聞いており、その度に「日本での開講はいつになるんだろう?」と、わくわくした気持ちになっていました。フェイシャルリフレクソロジストとしてもフットリフレクソロジストとしても、とても興味深く、またセラピストとしての可能性が一気に広がる内容だからです。

実際、私自身はロネ・ソレンセンが開講するコースの中で最も難易度が高く専門性を求められるコースとされている「テラピア・テンプラーナ(障害を持った子どものための早期療法)」セラピストでもありますが、ニューロフットリフレクソロジーはこのテラピア・テンプラーナの中で非常に重要な役割を果たしています。

フェイシャルリフレクソロジーとニューロフットリフレクソロジーは、ロネの中で同じくらいの比重を持つセラピーであり、どちらが欠けても自分のセラピーは完成しないと彼女は言います。顔と足、どちらからも働きかけることで、クライアントの症状が劇的に改善されていくところをロネ自身も、そしてロネが率いる各国のインストラクター及びセラピスト達も日々目の当たりにしているのです。

そんなニューロフットリフレクソロジー果たしてどんな内容なのか、まずはここでディプロマコースの概要をおさらいしておきましょう。

以下、IMSIのニューロフットリフレクソロジー・ディプロマコース詳細から

「ニューロフットリフレクソロジー」とは、カイロプラクティックの起源とも言われる古代チベットの脊椎療法を、デンマーク出身のプロフェッショナルリフレクソロジスト ロネ・ソレンセンが足の脊椎反射区を通して実現させた、全く新しい概念のリフレクソロジーです。

全身臓器の機能低下や疾患は、脳からの刺激が脊髄神経に充分に届かないため引き起こされると考えられており、このセラピーは、脊髄反射区に神経学的に刺激を与えることにより、様々なトラブルに対して即効的に働きかけることが可能になります。

反射区を応用するため、安全性が高く禁忌がないのが特徴で、がん、糖尿病、脊椎のトラブルなど様々な疾患をお持ちの方や障がいをお持ちの方へのトリートメントも可能です。このテクニックは、通常のフットリフレクソロジーやフェイシャルトリートメント、鍼灸などの療法に組み合わせることが出来るほか、単独での使用も可能です。

まさに、ソレンセン式セラピーを完結させるために必要不可欠なテクニックであり、セラピストにとって活躍の場が大きく広がることでしょう。

ニューロフットリフレクソロジーディプロマコースは、3部構成となっています。

ニューロフットリフレクソロジー ベーシック  骨格系へのアプローチ

このコースでは、脊椎に対する正しい反射区の捉え方とそのテクニックを細かく学びます。脊椎の何番にディポジットがあるかを正確に捉えることにより、身体のどこの部分に不調があるかを読み取り、身体のバランスを取り戻すテクニックを習得します。

また、足の脊椎反射区は、誕生からこれまでのその人の感情の歴史が刻み込まれていると言われているため、この技術が熟練すると、精神的トラウマを受けた年齢などの情報が分かるようになります。

 

ニューロフットリフレクソロジー アドバンス1 脳へのアプローチ

本コースでは、大脳皮質と脳神経に関する理論を学び、足における4つの大脳葉(前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉)の反射区、大脳皮質41の機能区分に対する反射区、脳神経の反射区を正確に捉え、応用するテクニックを習得します。

脳卒中を患った後に起こる運動機能障害、言語障害、視覚・聴覚・嗅覚・味覚などの感覚のトラブル、学習障害、自律神経失調症、顔面麻痺、三叉神経痛、その他神経系に関する様々なトラブルへのアプローチも行います。

 

ニューロフットリフレクソロジー アドバンス1 筋肉系へのアプローチ

本コースでは、足における全身の筋肉に対する反射区を学びます。5つの筋層に対する異なった圧の掛け方を習得することにより、表層から深部へと渡る全身の筋肉への働きかけが可能になります。

スポーツ障害、関節炎、繊維筋痛症、疼痛などにより、患部を直接触れることが出来ない場合においても、足裏の反射区を通したアプローチが行なえるようになります。また、筋肉の緊張の緩和、肩こり、腰痛の軽減にも即効性を発揮します。

 

おもしろそうだと思いませんか?
そんなロネ・ソレンセンワールドの真髄ニューロフットリフレクソロジー・ディプロマコースの“はじめの一歩”ベーシックコース第一期が、2010年3月に開講されました。

いよいよ開講!

ニューロフットベーシックコース1期生の皆さん

日本で開講される初めてのベーシックコース。開講日は2010年3月20日と21日の二日間。最終的に51名の参加者が集まりました。
2日間のコース内容を、ここでご紹介しておきましょう。

西国IR認定ニューロフットリフレクソロジー・ベーシックコース概要

Day 1
  • ニューロフットリフレクソロジーの基盤とされる脊椎触診法「プラクシス・ベルテブラリス」についてとその歴史
  • 神経終末からなるニューロゾーンの成り立ちと各ゾーンへの働きかけ方について
  • ニューロゾーンのデモンストレーションと実技
  • 脊椎の反射区のデモンストレーションと実技
Day 2
  • 脊椎の反射区の実技練習
  • 脊椎の反射区へのディポジット形成についての理論
  • 症例紹介
  • 「エモーショナル・ディポジット」の簡単な説明後、デモンストレーションと実技
  • 「エモーショナル・ディポジット」をバランシングすることによるトラウマの解放

生徒さんの多くは西国IR認定フェイシャルリフレクソロジストやコスモフェイシャルセラピストでロネのコースの常連さんばかりでしたが、中にはプロのリフレクソロジストや、そのユニークな手技と効果に惹かれて受講されたという、初心者の方もいらっしゃいました。

2日間のこのコースでは理論、実技を介して足裏の反射区と足の内側側面にある脊椎の反射区について学びます。またこのコースの興味深いところのひとつでもある、“トラウマ”のより刻まれるディポジットの探り方なども体験します。

そう、足を触ればクライアントのここまで歩んできた歴史、道筋がわかるというのが、この「ニューロフットリフレクソロジー」のひとつのポイントなのです。

参加者の中には足を触ることに慣れているリフレクソロジストも多くいらっしゃいましたが、一般的なリフレクソロジーの反射区との位置の違いや、その反射区が「16週の胎児の臓器を反射されている」こと、神経終末へ働きかける方向・・・などなど、今まで教わったことのない理論や技術を展開するロネを前に、とっても驚かれる場面が何度もありました。

足裏のゾーンはフェイシャルリフレクソロジー同様、中国の陰陽五行説・・・木火土金水=「五行」に則って5つのカラーに分かれています。生徒さんの中にはロネに直接反射区をカラーペンで描いてもらっている方もいらっしゃいました!テキスト上のチャートで見るよりも実際の立体的な足に描かれたほうが確認しやすいこともあり、他の参加者の方々も集まってきて写真を撮らせてもらっていましたヨ。

実技の前に行うデモンストレーションは通常1回ですが、人数が多いことから毎回3グループに分けてロネがそれぞれデモンストレーションを行ったことにより、皆さんその手技を間近で色んな角度から確認できたので好評でした。

足裏の反射区のあとは足の内側側面にある脊椎の反射区へのアプローチです。

この反射区は椎骨間から出ている神経圧迫の解放なども含んでいるので、正しい反射区や角度を捉えることが大切になってくるので、ロネが何度も何度も繰り返し反射区を見せてくれました。

ロネによる脊椎の反射区へのアプローチのデモンストレーション。皆さん真剣です!!

ロネが行っているのを見ていると、とても簡単そうにリズミカルに施術を行っているのですが、実際自分でやってみるととても複雑で難しい・・・。そのリズムとテコの原理をつかむまでは皆さん苦戦されていましたね。

両足の脊椎反射区のトリートメントを1回行ってだけで、足の開き方の角度が調整されて整ってくるので、ビフォー&アフターの写真を撮っている方もいらっしゃいました。

足の角度が内側に入っている方、外に開きすぎの方、片方は内側、片方は外側、などなどさまざまでしたが、本当に1回でかなり変わってくるのでトリートメントを受けるほうも行うほうも大喜びでした!

脊椎へのアプローチの実技風景。ゾーンや角度を確認しつつ勧めていきます。

2日目最終日の後半はトラウマなどの感情により刻まれる、エモーショナル ディポジットの探り方を体験しました。このテクニックはニューロフットのアドバンスコースで使用していくテクニックです。

これまた脊椎の反射区と同じライン上を探っていくのですが、その探り方かそれまでのものとはまったく別の探り方で大変ソフトなのでじっと神経を研ぎ澄ませて確認していく必要があり、これも練習が必要となってきます。その為、今後アドバンスコースを検討されている方々の為に前段階から練習できるようにと探り方を体験させてもらいました。

この探り方により、何歳ぐらいのときにエモーショナルディポジットが刻まれるような大きな感情の変化が起るような事柄が起ったかなどが分かります。

ロネによるエモーショナル・ディポジットの探り方のデモンストレーション

「○○歳ぐらいのところにエモーショナル・ディポジットが感じられますが、何か心当たりありますか?」
・・・と言う質問に対してそれがどんな事柄だったかは説明する必要はありませんが、心当たりがあるか無いかを確認していきます。

そうすると「え~~どうして分かっちゃうの?」という方もいれば、「特に思い当たることが無い」という方もいらっしゃいます。ロネによると自己防衛本能により、とても辛かった事柄を忘れてしまうことがあるそうです。

しかし、トリートメントを受けてからしばらく経つと、「そういえば・・・・」というように、ふと記憶によみがえったりすることもあります。実際に参加者の方々の中にも数人そういう方がいらっしゃって皆さん驚いていました。

その後、そのトラウマを解放するためのバランシングテクニックを体験して、コース終了となりました。

初コースを終えて

とても充実した内容で参加者の皆さんから「大満足!」・・・とのお声も多数頂き、私自身もこの二日間のコース終了後は、復習会や実際の施術に多く借り出され、以前にも増してこの技術のおもしろさを感じています。

実際、整体やカイロプラクティックを専門にされている方に施術を行う機会にも恵まれました。そうしたところ、施術直後から「両足への加重バランスがとれているし、脊柱のラインも整っているようだ」・・・とおっしゃっていただきましたよ。リフレクソロジストによるカイロプラクティック的アプローチは斬新で興味深かったようです。

また、ニューロフットリフレクソロジーを行ったクライアントの方々からは
「施術は痛いけど、終わった後はすっきりとても楽になる」
「続けて受けているとドンドン体調が改善されてくる」
「トラウマがとても当たっていて、まるで占いみたい!」

・・・などなどフィードバックも頂いています。整体や鍼灸治療に抵抗のある方も、足の施術だけなら・・・と比較的スムーズに受けられるところもあるようですね。

もちろん、フェイシャルリフレクソロジーと組み合わせて相乗効果を狙っていく・・・といったアプローチを私自身は得意としていますので、内分泌系や神経系、ガンなどもうすこし深刻な状況にあるクライアントの方々へのセラピーも行っており(こちらの症例についてはまた改めて時期が来たらご紹介したいと思います)、そうした日々の活動を通して私自身もフット&フェイシャルリフレクソロジストとしての可能性が広がったことを改めて感じる毎日を過ごしています。

 

次回ロネ・ソレンセンの来日は、2010年9月ということになりました。9月11日(土)と12日(日)の2日間にかけて、「ニューロフットアドバンス I 脳へのアプローチ」が開講されます。私も現在テキストの翻訳に取り掛かっていますが、こちらも本当におもしろそう!多くの生徒さんとまた9月にお会いできるのが楽しみですし、この新しいリフレクソロジーによって、日本におけるリフレクソロジーの未来がより明るいものになるといいなと心から願っています

 
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