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●ディエンチャン基礎第3期レポート●
2012年(小松ゆり子)

ディエンチャンとの出会い

「自然療法の国際総合学院」の名の下に世界の様々な自然療法をご紹介してきたIMSIの中でも、飛び抜けてユニークな「ディエンチャン」。いったいどこの国の言葉か、名前だけではわかりませんね。

ディエンチャンはベトナムで生まれた自然療法。私がこのディエンチャンを最初に知ったのはIMSIの中でも大人気のソレンセン式フェイシャル・リフレクソロジーのクラスでした。ソレンセン式フェイシャル・リフレクソロジーはリフレクソロジストとして30年以上のキャリアを誇るスペイン在住のデンマーク人ロネ・ソレンセンが、東洋医学や解剖生理学、そして世界各国に伝わる反射療法の知恵を集結してつくりあげたメソッド。

FRベトナミーズチャートの由来となったディエンチャンのチャート

通常のリフレクソロジーのような足よりも、脳神経によりダイレクトにアクセスする「顔」の反射区にアプローチすることで、様々な症状を改善するだけでなく、不調の「根本原因」にも働きかけるセラピーとして広まってきています。

その行程は7つのStepに分かれて構成されており、「ニューロバスキュラーポイント」「南アメリカインディアンチャート」など興味深い世界各国の反射区チャートのその中に、「ベトナミーズチャート」が。鼻に人の形が張り付いていたり、生え際に感覚器が並んでいたり……摩訶不思議なチャート。
「いったいこれはいつからあるチャートなんだろう?」「誰が発見したんだろう?」と、たくさんの「???」が頭の中に浮かんだのを覚えています。この「ベトナミーズチャート」こそ、「ディエンチャン」のものだったのです。ベトナム語で「Dien=面」「Chan=診」……つまり顔診断を意味する言葉が「ディエンチャン」。

ロネがこのベトナミーズチャート=ディエンチャンと出会ったのはキューバというのも面白いところですが、この「ナゾ」の自然療法だったディエンチャンを2008年に日本で再発掘したのが、冨野玲子先生です。 なんと、冨野先生はベトナムに留学経験があり、ベトナム語が話せる!

フェイシャルリフレクソロジーの立ち上げの時にスペイン語を話せる桂子先生がスタッフにいたのも奇跡的ですし、ベトナム語を話す自然療法スクールの校長先生というのもなかなかいないと思うんですが(笑)もうこれはIMSIの運命としかいいようがないところ。そんなミラクルが重なって、そもそもその存在や生死すら定かでなかったディエンチャンの創始者「Dr.チャウ」を見事探し出し、2010年から日本でのディプロマコース開催する運びとなったのです!

 

Dr.チャウと記念写真

そして2012年、3期目となるViet Y Dao(越医道)認定ディエンチャン・ディプロマコース基礎が開催されました。 コースに参加するのは始めてですが、私はもうすっかりディエンチャンには馴染んでいました。とにかくIMSIのスタッフ・ルームではディエンチャンが大人気。ちょっと鼻をすすっていたり、具合の悪そうな表情を見せると、どこからともなくディエンチャン棒を持ったスタッフが出て来て、顔のツボやら、指先のツボやらを押してくれるのです。

桂子先生の施術を受ける飯野先生の図

たくさんの形状があるディエンチャン棒の中から、ササッと適切と思われる一本をチョイスして、顔を差し出せば、すぐにセラピーがスタート。中でも、デスクワークで煮詰まったり、ちょっと眠くてボーっとした時にやってもらっていたのが「線引き」と言われるテクニック。

顔にタテ線……というのは、漫画ちびまる子ちゃんなどでおなじみの表記ですが、ディエンチャンのまさにあの漫画のような形で顔にタテ線を引いていきます(笑)これが……イタイっ!!でもキクー!!!体調によっても感じ方に差があるのですが、思わず顔を背けたくなるくらい痛いときも。でも終わると顔がホカホカと火照って来て、頭がスッキリするので、ついつい病み付きになって自ら顔を差し出してしまいます(笑)

ディエンチャンの求めるところ

モジュール1と2は冨野先生の担当。自ら、ベトナムのディエンチャン・スクールに飛び込んで習得した知識を、わかりやすく整理してお話してくれます。

モジュール1の最初にお話があったのは、Dr.チャウからのメッセージ。「子供のココロに返って、柔軟な思考で学ぶ!」既存のルールはすべて忘れ、見るもの全てを興味深く「へー!へー!」と感動する子供のようにイマジネーション豊かに、自由自在な心で勉強していくのが大事なんだそうです。そして「ディエンチャンは全く他の自然療法と違う」ということ。

ウマいヘタがなく、先生でも初心者でも同様の効果が得られるようにデザインされているのです。そのため「知識はあっても技術の差はない!」というのがDr.チャウからの第二のメッセージ。 たしかに、ベトナムという彼の地で行われているディエンチャンのクラスの様子を冨野先生に聞いてみると、セラピスト志望とかではないごく普通の老若男女が入り交じって、ワイワイした雰囲気。

ベトナムでのディエンチャンクラスの様子

元々ディエンチャンは、まだ医療制度が充実していないベトナムで、一人でも多くの国民を「簡単に!」「誰でもできる技術で!」健康に導きたい……というDr.チャウの熱意から生まれて来たもの。ベトナム人の識字率は高いものの、長かった戦争のせいで学校に行ったことのない人も多いそうです。そういう初めて学校に行くような人も、お医者様も、お坊さんも……みんな一緒にディエンチャンのスクールで、机を並べて勉強しているのだそうです。

だから、ベトナムのおばあちゃんでも子供でも、だれもが気軽に学んですぐ実践していけるように構築されています。そのため「暗記をする必要がない」というのも、特徴のひとつ。もちろん、実際チャウ先生に会うとその世界が深淵で奥深い世界なのはよくわかるのですが、情報は沢山あっても、その情報を見て確認しながらやれば良いのです。順番や手技をまる覚えする必要はない、というのがDr.チャウの考え。

男女が入り交じるベトナムのクラス(ベトナム国旗のTシャツが冨野先生)

なによりも、相手の顔をじーっと見て、「生きたツボ」を感じるのが大事と考えているのです。チャウが提唱する「越医道」。 越の文字はベトナムのこと。そして、残った「医道」という言葉。「医学=学問」でも「医術=技」でもなく「医の道である」というところにチャウ先生のこだわりが潜んでいます。

日本でも、茶道、華道など……「道」という文字がつくものには、単なるお茶を淹れる、花を生けるという行為を越えた、精神性のようなものが宿っているように思います。ただ、病気を治すのみではなく、「道がある=精神性、心がある」ことであり、その心なくして病気や症状を治すことはできない、ということをこの「越医道」という3文字に込めているのだそうです。

越医道を通じて、健康や知性を磨き、幸福になること、そしてその幸せを必ず周囲の人にも分け与える、助け合いの精神でいること。技術よりも何よりも、まずこういった「心」を大事にするところも、ディエンチャンの大きな特徴なのです。

「生きたツボ」を探す

Dr.チャウは元々は鍼灸師。いわゆる一般的なツボに関する知識も持ち合わせています。針灸師として多くの臨床をとっていた中で、まず顔に対する針治療が、身体に対するそれより数段効果がある……ということに気づいたそうです。そして、ディエンチャンの発祥ともなるエポック・メイキングな日は1980年に訪れます。

ベトナム戦争の悪しき影響で、麻薬中毒の後遺症に苦しむ人も多かった当時のベトナム。その時猛烈な背部痛に苦しむ患者さんに対して鍼灸を行っていたDr.チャウはあることに気づきます。 鼻筋を探っていくと、ロウソクの蝋のようにブヨブヨとしているポイントがある……。

そこで、治療家としての直感が働いたチャウ先生がとった行動は、縫い針よりも太いハリをそのポイントめがけて一撃!!すると、患者さんはさぞ痛いだろうと思いきや、痛くなさそう…しかも鼻から背中にかけて蟻が歩いていくような感覚とともに、1分以内に痛みが消失してしまったのだとか!つまり、大当たりだったのです。ディエンチャンでは、鍼灸や他の反射療法同様、身体の各部分や臓器が、また別の場所に反映されており、その「反映されている部分」を刺激することでリアルな臓器や身体にもポジティブな影響が出ると考えています。

耳への棒灸を行うDr.チャウ

鍼灸師としての臨床経験から、背骨と鼻スジのに密接な関係があるのではないか……?と、その関連性にうっすら気づいていたものの……それが確信に変わった瞬間でした。この時のポイントが、現在「1番」と呼ばれているディエンチャンのツボ。

ディエンチャンのツボチャート

そこから、Dr.チャウの飽くなき探求が始まり、数百のポイントの発見や、現在のような多様なチャートができるに至ったのです。

このように、皮膚上を探っていき「他の場所とちがう感じがするところ」のことを「生きたツボ」である、とチャウ先生は言います。生きたツボは、体内の変化を表すサインとなっている反応点のこと。刺激を与えれば、その反応点の状態も変化していきます。

ここまでは他の反射療法とも近い考えかもしれないのですが、さらに発展させたディエンチャンの奥深さは、フラクタル構造の考え方が取り入れられていること。フラクタルとは、ある図形の部分と全体が相似構造になっていること。先ほどの背骨と鼻スジの関係性もそのひとつです。また、例えば手を拳状に握った時にはその全体は心臓のように見えたり、縮こまっている胎児のように見えたりします。

Dr.チャウからのメッセージにある「自由な発想で!!」というのがここにつながってくるわけです。イマジネーションを膨らませて身体の各部で連想ゲームをしてみると、そこが新たな反射チャートとして機能しているかもしれないのです。

ディエンチャンの実技

ディエンチャンの道具の数々

ディエンチャンの基本的な考え方を習ったら、すぐにでもやってみたいのが待望の実技。ツボ単体で押しても良いですし、クラス内で沢山習う、特定の症状に対する効率よいツボの組み合わせ=フォーミュラを使っても良し。そして数々の反射チャートの中からフィーリングに会うものを採用してゾーンで刺激するのもOK。

反射区よりももっとパシっと内蔵に刺激を与えたければツボの方がソリッドに効くし、ツボは近隣の3個を一緒に押すともっと効く……など、効果の大小は多少あるようですが、とにかく自由に試してみる!というのがディエンチャンのスタイル。まずはやってみることが大事なのです。

基本的に施術に使うのは様々な形状のDr.チャウがオリジナルで開発したツボ押し棒。これがものすごい種類があるので、ついつい大人買いしたくなってしまいます!東洋医学の考えに基づき、それぞれの棒には陰の側と陽の側があります。どの道具をチョイスするか?そして陰陽どちらを試すか……これも試して気持ち良い方が正解!というのがディエンチャンの世界。自分に必要なものは、身体が知っているのですから。

まずはツボやチャートを参考にしつつ、道具を選んで刺激し、クライアントに症状が自分比で何%くらい楽になったかを聞いてみます。そして、変化がなければ、どんどん次のアイディアを試していくのです。

 

タム先生に施術して頂きました!

1つのツボは30秒くらい押し、長くても全体で10分程度で施術は終了。

長ければ良い、というものではないし、やり過ぎると逆にバランスを崩す可能性もある……なんて話をチャウ先生がしていたら、ついつい「全部やったほうがいいんじゃないか!」とアレコレ試しすぎていたことに気づいてドキッとした顔をする生徒さんも(笑)気持ちはわかります!覚えたことはどんどん試して実践したくなってしまいますよね。

私も買ったばかりの精油がうれしくて沢山ブレンドしすぎた結果妙な匂いになってしまったり、ちょっと具合が悪くなった時に沢山の自然療法を試しすぎて結局どれが効いたかわかなくなってしまったりしたことがあります。

Dr.チャウは、「イタ気持ちいい」程度の施術を5分くらいで行い、一つの症状に対する一つの手技の結果は、1分くらいで見極めるそうです。1分で効果がなければ、そのツボ自体が合っていないので、別のツボを探すのだとか。 つまり、逆に言えば、ディエンチャンはかなり即効性がある施術なのです。その際100%の改善じゃなくてもOK。だいたい30~40%改善していれば、効果があるツボやチャートと見なされます。

生徒さんからの報告ですごかったのは、子供の結膜炎。プールの翌日真っ赤に充血し、目やにもすごくなってしまったそうです。34、21、6といったツボを押してみたところ……なんとなく他とちがう生きたツボを発見!そのボリボリするあたりを刺激してみたら……なんと!お子様の白目がみるみる内に白くなった!もちろん、誰にでも同じ結果がでるかどうかはわかりませんが……ディエンチャン、試してみる価値があるとは思いませんか?

ユニークなツボ押しアレコレ

ディエンチャンで登場するアイテムとして有名なのがこちらの「サロンパス」(笑)

サロンパスは顔の臓器のツボに30分くらい貼っておくのですが、不思議なもので貼ってしばらくするとギンギン主張してくるツボと、そうでもないツボが出て来ます。この時ギンギン主張してきているのが「生きたツボ」=治癒が必要な臓器のツボ。生きたツボのサロンパスを30分~2時間貼っておくことで効果をだしていきます。

サロンパスを貼ってみた

また、モジュール3 で登場するのが棒灸を使った施術。ここでは耳のツボチャートを使用。耳は丸まった胎児のような形をしています。その胎児の姿をそのまま耳に投影することで、全身の臓器が耳に反射して現れていると考えているのです。

棒灸で熱がる生徒を見て喜ぶDr.チャウ

耳用のツボ探し棒でツンツンとして痛いポイントを探し出し、そこを「もぐさ」の棒灸で温めていきます。ふわーっと棒灸を動かしていき、棒灸が熱く感じるポイントを発見。2cmくらい距離をとりつつもそこにジワーっと棒灸を充てておき「アツい!」となったら離します。

アツい→離す、アツい!→離す、アツい!→離すと3回繰り返して終了。私は腎のエリアに熱さを感じたのですが、終了後すぐトイレに行きたくなって、ちょっとビックリしましたよ。

他にも、インフルエンザで熱が出ているけど寒い……というような時、仙骨から首まで背骨を棒灸で温めるのも有効だそうです。あと、もはやディエンチャンの伝説となっているのが、「目」や「気持ち」でツボを押す!ということ。上級スキル(笑)ツボの番号を考えたり、凝視しながら「押す」。つまり、「目ヂカラ」による「エアー ツボ押し」!

しかも、これは本人じゃなくて写真やチャートにその相手のイメージを投影しながらでもできるんだとか。
「そんなぁ~」と思わずクスクス笑いをするクラスの生徒さんたち……。「みんな笑うけれど、これが効果があるのがわかってみんな今では信用してくれているんだ!」と、力説するチャウ先生。

「愛情のツボ」や「楽しくなるツボ」もあるディエンチャンの世界。チャウ先生は大荷物で空港の受付をする時に、担当者の顔をニコニコと見つめながら、愛情のツボを凝視するそうです。すると、どんなに荷物が多くても超過料金をとられたことがないんだとか!?

26,60は愛情のフォーミュラ

この26番、60番の「愛情のツボ」は非常によく使えるそうで、例えばひったくりにお財布を取られてしまったとき、「お金以外は返してください!!」と、このツボで犯人に念を送ったら、見事にお金以外は返って来たそうです。

他にも、妊娠中のお母さんが愛情のツボの番号を念じながら水を飲んだり、お腹の赤ちゃんに向かって30回念じたりすると、その効果は体内の赤ちゃんにも届くんだそうですよ。何よりも「意図することが大事」というのは、様々な自然療法で言われていること。「まさか!」と思う前に、まずトライしてみてはいかがでしょうか。

実生活で使えるディエンチャン

コームと頭皮のチャート

ディエンチャンのグッズは、いつでも使えるように歯ブラシや精油などと一緒に鞄に入っています。筋肉や骨格、感覚器の不調に対しては反射チャート、内臓のケアやある特定の症状がある時にはツボやフォーミュラ、というのが自分なりの活用方法ではあるのですが、忙しくて面倒くさがりな私(汗)は、だんだんケアがシンプルになってきました。

まず一番の登場率なのが、コーム。ヘッドスパ科の主任講師でもある私。元々頭のブラッシングはよくしているのですが、こちらのコームがとても使いやすい!!前頭部~後頭部へとブラッシングしていたことも、ディエンチャンのチャートに当てはめれば、頭~背中~腰までのラインをロングストロークでケアしているのと同じこと。これが、ナニゲに良く「効く」。こうして原稿を書いている合間にも、ちょっとしたストレッチ&コームで頭を梳かすと、かなりスッキリと気分転換ができます。

セルフケアでもう一つ活躍するのが通称「6リンパ」と呼ばれる手法。「彗星棒」という少し先端が太くてマイルドな棒を使用します。リンパ系が反射されている6つのエリアを刺激することで、身体のリンパ全体を刺激し、免疫や体力をアップするだけでなく、身体のデトックス、温め、食欲増進、安眠、消化器のケア、アレルギー予防などなど……様々なデイリーケアに使えるのです!刺激もソフトですし、これもカフェで仕事をしているときや、仕事で区切りを入れたい時、朝起きてすぐのリフレッシュ、そして寝る前のリラックスケア、などなど、あらゆるシーンで使えるお気に入りなのです。

また、人に対して行う手法としては、モジュール1で習う「線引き」もかなり使えます。「線引き」は前述しましたが、顔に容赦なく線を引いていく手法。これがイタイ!!だから、自分自身には手加減してしまってできないので、やり合いっこするほうが良いのです(笑)

それもそのはず、Dr.チャウ曰く「道で気絶した人に遭遇したら線引きしてあげなさい!」というほどの気付け効果のあるもの。「道で気絶した人に遭う」なんてことはあまりないですが(笑)とにかく頭のリセットには最適な手法。逆に夜はカフェインのように眠くなくなってしまうので、ちょっと注意が必要。これを覚えた当初、人の顔を見ては線を引かせてもらっている時期がありました(笑)

ヨガスタジオで会った友達に、線引き。
飲み会で、集まった友達全員に、線引き。
といった具合です。面白いのは、みんな「イタイー!」と絶叫しつつも「ヤメテー!」とは言わないこと。「マズイー!もう一杯!」という青汁の宣伝がありましたが、あんな感じで一度は顔を背けても「ん?!なんかスッキリする!やっぱりもう一回。」と顔を差し出してくるのだから面白い。

こうして、あちこちでみんなの顔に線を引きまくっていたら、すっかり人気者になってしまいました(笑)また、必ずと言っていいほどディエンチャングッズをどこで購入できるのか聞かれます。チャートのビジュアルやグッズのデザインも、人を惹き付けるようで……Dr.チャウの「人を楽しませる、幸せにする」マジックは、こんなところにも届いているようです。

愉快痛快来日セミナー!

大御所Dr.チャウが登場するのは、モジュール3から。モジュール1や2でも実技をスタートしますが、いよいよ沢山のことを創始者から直で習う時間。

数々の自然療法を学びましたが、創始者から学ぶ瞬間というのは、非常に貴重です。 本を読んだり、伝聞だけでなく、その人が身にまとう空気やオーラのようなものも一緒に体験することがとても大事なことだ……といつも思います。今回は、スペシャルゲスト! 息子のタム先生を伴っての来日でした。

チャウ先生、タム先生とスリーショット

タム先生はベトナムの医学部に通って西洋医学を修めつつ、各国を飛び回るDr.チャウのいないベトナムの留守を守って、日々ディエンチャンの講義や施術を行っているのです。いかにも「若先生!」という風貌ですが、さすが親子、血は争えません。 ビデオと写真が大好きなのは親譲りのようです(笑)

ホテルから会場までの送り迎えを担当させて頂いたのですが、Dr.チャウと共に常にカメラとビデオを持ち歩き、5歩くらい進むごとに写真をパシャパシャと連写。10分程度の道のりなのに、まるで犬のお散歩のように気が向くままにのんびりと進んでいきます。こんなところにも「何事も子供のように楽しむ!」というディエンチャン スピリットが親子共々引き継がれて体現されていることに、微笑ましい気持ちでした。

授業はもちろんキリっと!するお二人……ではありますが、笑いが絶えないクラスであるというのもまた事実(笑)要所要所で「深イイ話」をDr.チャウがしたときは「拍手」をするのがお約束ですし、ツボ刺激でイタイ、イタイという生徒を見て満足げにニコニコしたり、授業中もカメラとビデオ撮影に余念がないなど、相変わらずのチャウ・ワールド。クラス内ではツボを効率よく組み合わせたフォーミュラを沢山習っていきます。また、生徒さんたちが持ち寄った症例に対するアプローチ方法も教えてくれますので、ここは聞いた者勝ちです!

皆でチャウ先生に拍手!

ちなみに今回の来日でチャウ先生の中でブームだったと思われるのが「手首回し」の手法。やり方は簡単!両腕をニュっと前に突き出して、ひたすらグルグルと手首を回すだけ。手首=首と同形と考えるので、首も楽になりますし、足首、股関節、など関節全般はもちろんで、2年動かなかった四十肩が一日の手首回しで動くようになった人もいるそうですよ。

楽しく手首回し!

その他沢山の慢性的な悩みが解決した人が沢山いるという最新の秘伝!ですが、DR.チャウ自身2日間はりきって手首を回していたら、やりすぎたせいか喉の反射区におできができてしまったそうですヨ。これは授業内で詳しくやることですが、元々の体質が「熱」っぽい代謝の良いタイプは、やりすぎるといわゆる「熱の花」的なものができてしまうことも。

かくいう私も、手首を回していたら腕や耳にポツポツと出て来ました(笑)やはり何事も体質ごとに適量、というものがあるようです。

タム先生のお言葉

コース最終日の懇親会、タム先生とじっくりお話する機会がありました。タム先生は4年制の伝統医学の大学を卒業後、6年制の西洋医学の大学に入った医大生なのです。学校以外の日々はディエンチャンの施術や指導に費やし、卒業後もいわゆる西洋医学の医者になるのではなく、ディエンチャンを世界に広めていく後継者となることを決めていらっしゃいます。

「西洋医学も学んでみて、何かご自身の中で変化はありましたか?」とタム先生に聞いてみました。「西洋医学や神経学をどんなに学んでも方向性があまりに違うから、ディエンチャンの効果を証明することはまだまだ難しいけれど、バイオロジーを学んだことをディエンチャンに応用していくことはできるんだ。そうやって沢山のフォーミュラを作り出したんだよ。」b Dr.チャウが編み出したディエンチャンの手法は、西洋医学の知恵をブレンドしながら日々ブラッシュアップされていっているわけです。また、タム先生は、施術する側への効果についても言及していらっしゃいます。「ディエンチャンをやることは自身の脳の発達にもつながるんだ。ツボ押しすることは正確さが必要とされるから、施術者の左脳を刺激する。芸術的な反射チャートを使うことで、イマジネーションが広がり右脳が発展するんだよ。」

懇親会でタム先生と乾杯!

お話していてわかったのが、ディエンチャンは技術習得だけでなく「心」をとても大事にしているということ。「ディエンチャンのクラスでは、心や思想に関して充分な時間を割くことを大事にしている」と、タム先生は言います。

基礎コースのテキストには「ディエンチャン心からの言葉」というものが書いてあります。すべてDr.チャウによるものです。
「心を向けると光が見える」
「健康でない王様より健康な農家のほうが幸せ」
「心配せず―無理せず―頼らない」
「趣味を持ちながら暮らせば長生きできる」
「考え続ければ答えがわかる―やり続ければ出来る―思想は人生を決める」
「愛情と信頼は、成功と幸福の元」
などなど……。

こうした心のあり方について、クラス内でも多くの時間をとりましたが、それが施術の質にも大きく関わってくるのだそうです。「型ばかり真似するのではなく、目に見えないエネルギーを受け継ぐのが大きな糧になるんだよ」とタム先生。それは、まさにこのクラスで直接チャウ先生にお会いしてから思っていたことですし、様々な国で様々なクラスに出たり各国の先生にお会いする時には必ず感じることなのです。言葉は通じなくても、一緒の空間で体感することでわかりあえる、受け取れる、ことの大きさというのは、本当にかけがえのないものだと思います。

「私がレポートを書く係なんですよ」と、タム先生に伝えると、必ず書いてほしいことがある!と、これを読む皆さんに伝言を授かりました。「ディエンチャンは人類を救うことができる療法です。誰でも簡単にできる。そして効果が高い。難しかったら広まらない。仏教、老子はやらなきゃいけないことが沢山あるけれど、ディエンチャンは簡単なのです」

今年も第4期が開講されます。セラピーを生業にしている人だけでなくて、もっともっとベトナムのように老若男女入り交じるようなクラスになっていったら、日本の未来にとって幸せな気がしています!ぜひ、ディエンチャンの世界やDr.チャウの元気に触れてみてくださいね。

3期生の皆さん

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