SEMINARS & EVENTS

●ディエンチャン・アドバンス第1期開催報告●
2012年(飯野由佳子)

“We are family-私たちはディエンチャンの家族”

アドバンスコース第一日目の会場に入り、プロフェッサーチャウ(以下プロフェッサー)の言葉がよみがえってきました。プロフェッサー、冨野先生、生徒さんの姿を見た途端、自分の親戚やいとこに久しぶりに会えたような嬉しさや親しみを感じたのは、私だけでしょうか。他のコースでは味わえない雰囲気なのです。プロフェッサーと冨野先生が温かく迎えてくれる教室は、すでにベトナムの空気で満たされています!

今回はプロフェッサーのご長男で、現在6年制西洋医学の医大に在学中のタム先生も来日。タム先生がベトナムのクリニックで行っている技術をそのまま間近で体験、見学することもできました。アドバンスコース第一期の模様をレポート致します。

待望のアドバンスコースです!

陰陽気功

皆さん真剣に陰陽気功の練習中です

プロフェッサーが、一人一人に"気"を注入してくれました!

「このモジュール4、5、6では、にわかに信じがたい不思議な方法を教えます」プロフェッサーの発言に、なになに?!と全員の集中が高まりました。「その不思議な力を出すには、まず“陰陽気功”を学ばなければなりません。」

その“陰陽気功”とは、プロフェッサーがディエンチャンを確立する40年前に始めた方法で、亀のような浅い呼吸の気功法。これを練習すると、頭の回転がよくなり、元気になり、健康維持、若さの維持に役立つといいます。お坊さんが座禅をするように、練習すればいつでも心を落ち着かせることができるそうです。鼻から浅く吸い、呼吸はゆっくり、しかし気の流れは早く。気の流れをイメージし、気の流れをコントロールするのです。

ところが浅い呼吸法に慣れていない私たちはこのテクニックが案外難しく、なかなか慣れませんでした。そんな私たちにプロフェッサーは参加者一人ひとりの首と頭に手をあてて、パワーを授けてくれたのです。

プロフェッサーはもう何十年も陰陽気功をやっているおかげで、これだけ沢山気をあげても疲れがでないとか! 私たちもディエンチャントリートメントをする前に、陰陽気功をしてエネルギーをアップさせることでトリートメントがやりやすく、効果も出やすくなる!と教えていただきました。

陰陽気功は、道具ではない新しいディエンチャンのツール。私も毎日練習、エネルギーチャージしています。

 

クリニカルアプローチ

サロンパスで目の下のクマも解消!

アドバンスコースのモジュール4、5、6では、クリニカルの現場で使えるアプローチを勉強するとのことで、大変楽しみにしていました。

例えば糖尿病やがんなどを患ったら日本ではすぐに病院へかかるところを、ベトナムの医療は日本のように充実していないため、節約できる治療法としてディエンチャンへ通う人が多いそうです。アドバンスコースでは、プロフェッサーの臨床経験に基づいた貴重なフォーミュラを教えていただけます。

脳神経12対それぞれのツボ、各内分泌線のツボ、糖尿病、がん、自閉症に対するフォーミュラ、自律神経の交感神経、副交感神経それぞれのツボなど、プロフェッサーの宝箱が惜しげもなく次々と披露されます。これだけの内容を学ぶだけでも来てよかった!とかなり充実感がありますが、他にも自律神経失調症、ポリープ、静脈瘤、リンパ浮腫、緑内障、線維筋痛症などへの対応も習いました。

それだけではありません。ディエンチャンコースの素晴らしい所は、クラス参加者やその家族のちょっとした不調も、授業の合間に気軽に相談できるところ。二日酔い、便秘、腰痛、子宮筋腫、アレルギー、顔のシミや目の下のくまに対する対処法まで、プロフェッサーとタム先生からどんどんアドバイスがもらえます。

そんなわけで休み時間もクラスは白熱。テキストには載っていない興味深い情報が多く、雑談でもノートやメモが離せない状態なのですが、それが本当に楽しいのです!

 

プロフェッサーによる手首足首回しの実演

念を入れて、映工(アンコン)中

楽しくてクリニカルな方法の一つに、“手首回し”が紹介されました。 これは同型説に基づいた反射で、こぶしを頭、手首を首の反射区としてとらえ、親指をしっかり中に握りこんで、30回ほど手首を回します。内回りでも外回りでもどちらでもよく、回しやすい方どちらかで行います。

効果として身体が温まる、炎症やはれがひく、分泌物がたくさん出る、健康増進、疲れが出にくくなる、などが挙げられます。手首回しは陽の方法で、がんなど慢性病をお持ちの方にお勧めの方法です。(がんは陰、腫瘍は陰の強いこぶ、炎症、はれものと捉えます。)

プロフェッサーによると、がんと言えば病院へ行き、高い薬の投与と考えがちだけれども、自分の身体から自動的に調節をした方がよく、身体の分泌物が出れば身体のバランスが整う。治癒力を高めて内側から治すべきである、と考えています。

椅子に座って手首回しと足首回しを両方同時に行うこともでき、これだと気の下降効果があり、手は陽、足は陰なので同時にすることで調和がとれ、自動的にバランスがとれるのだそうです。

他にクリニカルな方法として、“念工(ネンコン)”と“映工(アンコン)”を習いました。これこそアドバンスクラスならでは!のテクニックです。

ネンコンは、念じること、アンコンは、図やテキストに対してディエンチャンを行うことです。 ネンコンでは、ある秘密のナンバーを唱え(知りたい方は是非クラスにいらしてくださいね!)念じてから、痛みや身体の調子の悪い箇所を次に念じるのです。例えば、水に愛や感謝の言葉をかけると美しい結晶がうまれるように、念じることも薬になるというわけです。

アンコンでは、図やテキストをクライアントと見立て、その人のことを思いながら図に対してサロンパスを貼ったり、ツボ探し棒で刺激したりします。このようなテクニックは、今自分のそばでトリートメントをしてあげられない時、遠く離れた友人や家族、親せきに対してトリートメントをするためにあるのです。

プロフェッサーの言う“にわかに信じがたい”この方法は、一元論によるものです。A=Bであり、私(施術者)はあなた(クライアント)、でもあります。なので、気持ちも同一、自分が念じれば向こうに通じると考えます。本当?!とお思いでしょうが、クラスでもすぐに、このテクニックに効果が表れることを体感した方が多数なのです。

私もその一人。クリニカルな症例ではないのですが、プロフェッサーとタム先生とで上野動物公園へ行った時のことをご紹介しますね。

 

タム先生によるきめ細やかな実技指導

「ベトナムより暑い」と二人が言うほどの暑さの中、プロフェッサーが「是非見てみたい!」と楽しみにしていたスマトラトラは、残念ながら茂みの奥に遠く隠れて寝ていました。

そんな時プロフェッサーが「ユカコ、あの番号を唱えてごらん」。ネンコンで唱えるとすぐ、あんなにぐったりしていたスマトラトラが、突然私とプロフェッサーに向かって大迫力で歩いてきたではありませんか!それからは私たちのもとに、何度も何度も繰り返し挨拶に来てくれました。

周りの見学者も驚くほどの熱愛ぶりを受けましたが、私はディエンチャンの秘密のナンバーをずっと唱えていたのです。もちろんクリニカルの場面でも、ネンコンとアンコンは使っていくつもりです。

またアドバンスコースでは、顔面のツボを正確にとらえるための表もテキストに掲載されていますし、プロフェッサー、タム先生から細かく実技チェックを受けることもできます。

そんなわけで、アドバンスコースでは基礎を大事にしながら、さらに自信を持ってクライアントに向き合うことができるようになると思います。

 

経絡とディエンチャン

背中の陰陽についての講義

臓器に病症が発生すると、その経絡にも症状が現れます。ディエンチャンと東洋医学とは捉え方が異なりますが、経絡の異常に対して、ディエンチャンの顔ツボを刺激したり、棒灸で経絡ルートを温めたりします。アドバンスコースでは、各経絡のトラブルに対応するツボ番号を教えていただくことができるので、大変勉強になります!

東洋医学の思想や治療法は素晴らしいと思うのですが、そのテクニックを得るには膨大な時間もかかり、大変困難です。しかしディエンチャンであれば、鍼灸師でなくても各経絡への対応が可能なのです。もちろんこれはプロフェッサーの長年の経験で実証済み。私は「顔には何かがある」「補完療法に経絡への働きかけは必要」と信じている一人ですので、これらのツボ番号を使わない手はないと思っています。

プロフェッサーは実践と応用でディエンチャンを発展させてきました。例えば東洋医学の任脈は(日当たりがよくないので)陰、督脈を(日が当たるので)陽と捉えますが、プロフェッサーは実際陰陽気功をして、その呼吸で熱くなるため任脈は陽、呼吸で寒くなるので督脈は陰、と考えています。

自分でどう感じるかを大事にしているのだそうです。冨野先生も「背中が寒くて、おなかがあついというのはわかる気がします。日本でも“はらわたが煮えくり返る”(陽)、“背中がぞくぞくする”(陰)という表現がありますよね」とのこと。

鍼灸師国家資格を所持し、さらにベトナム文化にも造詣が深い冨野先生は、中国-ベトナム-日本を結ぶ、このコースの言葉と文化の通訳者。東洋医学の専門的知識が入ってきた時や、プロフェッサーの思想があまりに哲学的だったり、日本人には馴染みのない風習だったりした場合、冨野先生がすぐ解説を入れてくれるので、大変わかりやすいのです。プロフェッサーと冨野先生は出会うべくして出会ったのでしょう。あうんの呼吸で進むペアティーチングも必見です!

 

顔診断

クラス全員が楽しみにしていたのが顔診断。顔診断によって、どんな疾患にかかる可能性が高いかが推測でき、クライアントからの信頼も得られる、といいます。ツボ探し棒で生きたツボを探したり、反射チャートや住所のあるツボに反応があればその臓器、ハンマーで生きたツボを探すこともできます。ツボは経絡と臓器に対応するので、例えば肺という臓器にトラブルがあるのかもしれないし、肺経のトラブルかもしれず、2つの可能性が考えられます。

しみ、しわ、傷、傷あと、ほくろ、色もよく観察します。 しみやほくろが反射区に出た場合、反射されたところに元気がないと捉えます。ほくろは手術の後、手術すべき部分か病気、しみは慢性病の兆候だそうです。左右を比べることが大事で、片方だけにある場合や一か所だけ顕著な場合は何かがある、と考えます。

基礎コースのチャートをしっかり頭に入れ、生きたツボを探すことができれば顔診断ができ、体質を知ったり、病気予防が可能になるのです。

プロフェッサーとタム先生が、第一期生へのプレゼントとして顔診断をしてくださいました。後からプロフェッサーに聞いたのですが、他の国ではクラス全員まではしていないそうです。初日のプロフェッサーのエネルギー入れ、最終日の顔診断、と日本は特別だそうですよ! プロフェッサーやタム先生からいただいた沢山の愛情を、私も他者へ与えていきたいと思いました。

チャウ先生による顔診断。症状を当てられ「ドキッ!」

ディエンチャンの哲学

食事中もプロフェッサーとタム先生による講義が続きます

プロフェッサーとタム先生の朝のお迎え、ランチ、夕ご飯のお供を、何日かご一緒させていただきました。その中で伺った話やエピソードをご紹介しましょう。

某有名居酒屋チェーン店で食事した時のことです。「この店がなぜ成功しているかわかる?」私が頭をハテナにしていると、「この店の陰と陽のバランスが素晴らしいんだ」。

確かに、空間全体は照明を落として暗く、各テーブルにだけそれぞれ明るくスポットが当たっています。こんなところにも永遠の法則が隠れていたとは。そのテーブルでプロフェッサーは「ディエンチャンの哲学はね……」と、紙ナプキンに2つの単語を書いて、私に示してくれました。

1.Monism (一元論)モニズム

2.Relativism (相対主義)リラティヴィズム
一元論とは、万物は一つとする考え方。相対主義とは、一つの考えを絶対的とせず、もろもろの視点や価値観の共存を認め、複数の主張を容認すること。

プロフェッサーの講義を受け、プロフェッサーと行動を共にするうちに、私も一元論や相対主義の考え方がなじんできたように思います。振り返ると、現代日本人が忘れ、徐々に欠けてきている考え方かもしれません。

一元論や相対主義によれば、10億の人々も一つ。皆は家族、兄弟であり、ルーツは一つ。だから競争すべきではない。それを意識すれば心は穏やかになり、争いや戦争もなくなる……。美しい心が何より大事。困っている人に惜しみなく与えれば、その分自分も何かを得、幸せになれる。 ディエンチャンのテクニックはそれだけで素晴らしいのですが、それだけでなくその哲学を伝えていきたいのだそうです。

カメラ大好き、お肉大好き、好奇心いっぱい、ユーモアたっぷり! のプロフェッサーですが、それはほんのおもて向きの姿。すぐ下に隠れている偉大なる哲学者の姿、ディエンチャンの根底を流れる壮大な思想を、見逃さないでいただきたいと思います。

 

最後に

「神はベトナムと私に“顔”を残してくれた」とプロフェッサーは言います。 アメリカのフットリフレクソロジー、フランスの耳療法、中国の中医学とあっても、顔に対する療法は考え出されず、中医学の顔のツボの数もそう多くありません。ディエンチャンのような生きたツボでもありません。

ベトナムでは、机の表面を“机の顔”と表現したり、ことわざで“顔は人の代理”というほど、顔から中身も判断できる、としているそうです。プロフェッサーは、その“顔”をベトナム人に与えてくれたことを「神に感謝している」と言うのです。私も個人的に、顔に対する働きかけは本当に効果が上がり、不思議な力を持っていると思っています。ディエンチャンを学び、様々なミラクルも体験し、自分の信じる道に自信をつけることができました。

ベトナムの国の形はS字で対極を作り、しかも小さい対極のため、世界で一番気力が強いのだそうです。そんな国から発信された文化、哲学ディエンチャンは、世界を圧巻させるパワーであふれていることでしょう。何より、お金がかからず、だれが行っても効果を上げることができるくらい簡単であるにもかかわらず、ベトナムでは西洋医療の治療にとって代わるほどの威力を持っているのですから。プロフェッサーは自身のホームページの英語サイトを充実させ、世界にもっとこの教えを広めていきたいと考えています。

We are family-この言葉通り、気力の最も強いベトナムから世界へ。ディエンチャンの家族の輪が広がり、人々の健康と美、心の平穏と世界平和が実現される日がくればよいなと思います。

そして私もディエンチャンファミリーの一員として、技術をさらに高めていきたいと思っています。

アドバンス第1期卒業生が誕生しました!

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