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●ニューロハンドリフレクソロジー●
2013年2月(飯野由佳子)

ニューロハンドリフレクソロジーとの出会い

バルセロナ

私がニューロハンドリフレクソロジーと出会ったのは2007年11月、テラピアテンプラーナ(障害児のための早期セラピー)コースを仕上げる最終モジュールとして、個人的にバルセロナを訪れた時です。

テラピアテンプラーナコースのうち、手に対するトリートメントの一部に、ニューロハンドリフレクソロジーが含まれています。

実は期間中、バルセロナの乾燥した空気が影響したのでしょうか、風邪ではないのに咳が一日中続いて苦しんでいました。ロネが「早速試してみない?」と提案してくれた、それがこのニューロハンドリフレクソロジーでした。

ロネは本当に効果が上がるものしか取り入れない、という人ですが、ハンドリフレクソロジーに関しては「相当様々な方法を試したけれど、残念ながらなかなか思うような結果が得られなかった」のだそうです。「でもユカコ、この方法は違うの。本当に結果が出る素晴らしいセラピーなの」。

そして見せてくれたチャートは、私が初めて見るハンドリフレクソロジーでした。

 

ニューロハンドチャート

中指に人体器官が反射されています。チャートをみながら、気管や肺の反射区にロネからもらった置き鍼を貼りました。病状が進み、頑固に症状が残っていたので2日間くらいかかりましたが、薬を使わず自然な形ですっと咳が治まった時にはとても驚きました。

手に行うなら、どの部位よりも簡単にトリートメントができる!こんなに身体に楽に症状が治まるなんて、もっと早くこのセラピーに出会いたかった!

このチャートは今までのゾーンチャートと違うけれど、なんだかすごい力を持っているに違いない!そう確信し、また新しい世界に足を踏み入れた私の胸が躍りました。

 

ニューロハンドリフレクソロジーとは

ニューロハンドテキスト

ソレンセン式ニューロハンドリフレクソロジーは、中国、チベット、韓国などのハンドセラピーを融合させ、独自で発展させた治癒効果の高い療法です。全ての器官系が手指に反射され、体部位再現されているのです。

ロネによると、特に小児と緩和ケア領域で有効とのこと。子供や高齢者は顔・手・足のリフレックスセラピーに対して非常に良く反応し、彼らの健康につながる身体に負担のかからないものを探している家族にとっては、最高の方法と言えるでしょう。

この方法はセルフケアでも行えます。今までのソレンセン式セラピーにセルフケアは限られていましたが、ニューロハンドリフレクソロジーは可能なのです。私もその実践者!チャートを知ってからというもの、ちょっと調子が悪いかなという時、てのひらのポイントにせんねん灸をいくつか置いています。とても熱いので注意ですが、身体の中がじわじわと温まってくるのを感じ、私には向いているように思います。

 

ニューロハンドリフレクソロジーの適応

ニューロハンド施術の様子

ソレンセン式ニューロハンドリフレクソロジーは、器官機能、内分泌系バランス、神経伝達物質のバランス、血液循環とリンパの流れ、筋肉の調整、脳機能に対して最適、とのことです。

ポイント刺激により、血液循環の改善、疼痛緩和、ストレス、疲労、筋痙攣のほか、喘息、潰瘍、アレルギーなどの心身症にも働きかけ、活力をもたらし、免疫系や内分泌系を刺激します。セルフケアとして急性の症状や痛み、不眠、ホルモンバランスへ働きかけることも可能です。

従来のハンドリフレクソロジーのゾーン刺激で、物足りなさを感じていた方には是非お勧めしたいと思います。ニューロハンドリフレクソロジーのみを行うこともできますし、フェイシャルリフレクソロジーやニューロフットリフレクソロジーと組み合わせれば、クライアントにより高い効果をもたらすこともできるでしょう。

 

海外の症例

ロネが海外の症例をシェアしてくれました。

Robert ポーランドのインストラクター

ソレンセン式ニューロハンドリフレクソロジーのコースに参加した、私の生徒のケースを紹介します。彼は他に何もセラピー経験がありませんでしたが、コース参加後、彼の母親にトリートメントを施しました。というのも、母親の聴覚がひどく衰えてきていたからです。たった数回のトリートメントでしたが、聴覚機能は改善され、補聴器を買わずに済みました。

Lissy デンマーク

私のクライアントに92歳の女性がいます。彼女は骨祖しょう症、消化不良の症状があり、ほとんど目が見えない状態です。6回のトリートメント後、視覚機能はトリートメント前より改善され、胃の機能もはるかによくなりました。

韓国のハンドセラピー

私には韓国人カップル(といっても50-60歳代)の知人がいます。彼らが日本に来日した時、コリアン・ハンドセラピーを知っているか聞いてみました。

「中指に人体の臓器が全て写し出されていて…」と言うとすぐさま彼らは「スジチムでしょ!」と答えました。「すっごく効くわよ。頭痛の時なんか、ぎゅっと指先を押すだけですぐ痛みがなくなるの。私の友達がスジチムできるわよ。」「僕は胃もたれした時、スジチムをしてもらって、不快感がすぐ吹っ飛んだよ。スジチムで使うグッズも南大門とか東大門とかに売っていたかな?いろんな国からスジチムの勉強に来ているよ。」

彼らは自然療法や伝統療法とは全く離れた世界にいるのですが、話を聞けば、韓国人の日常に溶け込んだ療法のようです。

手指鍼というように手指に沢山の鍼を打つのですが、鍼だけでなく指輪、灸、棒なども使用します。その方法は、まず生年月日から生まれつきの体質をチェックし、次におなかをぎゅーっと押して弱まりをチェックします。その後、様々な道具を使い、ポイント刺激をしていくそうです。高麗手指鍼は韓国の生んだ素晴らしい療法ですが、これだけ緻密な方法ですので大変深い学習になります。また、鍼を使うので(少なくとも日本では)施術は鍼灸師に限られます

そこでロネは誰でも行えるように、韓国のハンドチャートをベースにしながらも、彼女が経験してきた様々なアジアの療法を融合させ、独自の方法を編み出し発展させました。鍼を使わず手による刺激のほか、ブラシ、ローラー、パッチ、種(米、クミン、ゴマなど)の使用も含め、ポイント刺激をしていきます。この深い文化を家庭内でのケアに応用できるのですから、学ばない手はないですね!

 

ハンドセラピーの魅力

どこでも簡単に行えるニューロハンドの施術

ハンドと聞くと、いつも思い出すのが美智子皇后のことです。私の心に深く残っているエピソードなのですが、妃殿下として香淳皇后の晩年を支えていた時(皇后には認知症の症状が出ていたと言われています)、美智子様は日赤にいらした方に、皇后様の為に何かできることはないか尋ねられ、簡単なハンドマッサージを習った、ということです。

マッサージの技術がなくても喜んでもらえ、人の心に寄り添うことができる。人に何かしてあげたいと思った時、愛情や思いやりを伝えることができる簡単な方法、それがハンドトリートメントなんだ、と知りました。

また、長時間同じ体勢を保たなければならない、気分がすぐれない、病院やホスピスの患者や高齢者にとってボディーマッサージより受け入れやすく、家族や友人が一番行いやすいのがハンドトリートメントではないかと思います。

ハンドトリートメントは向かい合って座ったり、隣に座って行うので、セラピストとの会話が自然と多くなります。会話を通して抑圧されていた感情を解放することにより、安らかな気分が得られるでしょう。それはクライアントが安心を感じられる環境の提供につながると思います。ですので、ハンドトリートメントはメンタルケアにもなり、相手との絆を強めることにもなると思います。

2006年にカリフォルニアで、高齢者、病気の方、終末期患者のためのマッサージを学びました。(詳しくは拙著「世界の統合医療」にあります)トレーニングで訪れた高齢者施設では、ほとんどの方が車いす。彼らにできることは限られており、ハンドマッサージ、ハンドリフレクソロジー、服の上から行う背中のもみほぐしなどになります。

彼らへ握手して挨拶した後「手にマッサージをしましょうか?」と話しかけるのです。すると外国人の私に対しても、Noと拒む方はいませんでした。かたくなで知られる高齢者であっても手のマッサージから始まり、会話が生まれ、心が通じ合っていき、肩のマッサージ、脚のマッサージへとスムーズに進んでいきました。手はそんな不思議な力を秘めていると思うのです。

多くの可能性を持つ"ハンド"にセラピューティックな魅力が加わり、不快症状に対して結果も得られる、そんなぜいたくなニューロハンドリフレクソロジー。ご家族の健康のため、ご自身のメンテナンスのため、効果のみられる療法をお探しの方、是非コースにお越しくださいね。

 

反射区のポイント

「ソレンセン式フェイシャルやフットのコースに興味はあるけれど、セラピー経験はないし難しそう・・・」と受講をためらわれていた初心者の方も、受講可能です。是非この機会にロネ・ソレンセンの世界へお越しください!

ソレンセン式フェイシャルリフレクソロジーを日本に紹介し、その後ニューロフットリフレクソロジーを上陸させ、この度ニューロハンドリフレクソロジーのコースが開催されます。この10年間で、ソレンセンメソッドを一つずつ着実に皆様へご紹介でき、受講者の皆様から喜んでいただいていること、私もロネも大変嬉しく感じています。皆さんと6月にお会いできるのを楽しみにしています!

 
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