●IFPAジャパンカンファレンス2014 in TOKYO●
2014年(嵯峨慈子)
2014年12月7日(日)、東京のアイビーホール青学会館にて英国IFPA日本支部が主催する初めてのカンファレンスが開催され、全国からセラピストや自然療法を学ばれている方が250名以上集まりました。
基調講演やワークショップ、アロマセラピーや自然療法のアイテムや施術の体験ブース、最後の懇親会まで盛りだくさんのプログラムが提供されました。


ルイーズさんの挨拶で開会
開会挨拶はルイーズ・カーター英国IFPA国際理事から。
英国内でのアロマセラピスト活動として、病院や教育分野での事例が紹介されるだけでなく、認定アロマセラピストの約8割がこのような分野で活動をするか、ボランティアを経験されているとのこと、加えて大学と共同でリサーチ、研究活動をサポートしていることが報告されました。

キース先生の講演では事例が報告された
最初の講演は英国のからの特別ゲスト、ロイヤルフリーホスピタル、補完療法コーディネーターのキース・ハント先生による「TREAT NOT A TREATMENT ~病院における補完療法サービス~」。
20年以上に渡り、出逢ってきた患者さんの中から、様々な症例を挙げながら、「病院でセラピストとして働くこと」「患者さんに触れることの本質」「セラピストができること、すべきこと」について、お話しいただきました。

動きをスムーズにする指導の基本は観察
長めにとったランチタイムには日本国内ならではの香りや、世界の希少精油の紹介、セラピーのお試し体験などが勢ぞろいしたブースへ!
参加された企業や団体様の心がこもったご案内やサービスが人気でした。
午後は3つの会場に分かれてワークショップが開催されました。私も「セラピストのためのスキルアップと障害予防~ブレインジムと原始反射統合エクササイズを用いて~」を担当しました。

加藤先生の臨床報告
加藤安希先生による「乾癬に対するリンパドレナージの効果 症例報告」では乾癬という皮膚疾患に対してMLDを行い、素晴らしい改善が見られた症例を報告していただきました。

ベストセラーの著者の言葉に
参加者が感動
アズ直子先生の「ビジネス実用書著者が語る、セラピー普及促進3つの鉄則」では、あっという間に引き込まれるアズ先生のトークに、セラピスト一同学ぶことが多かったようです。

出村先生から反射学の事例が紹介される
林みき先生・出村百合子先生による「ユニス・インガム女史『足は語る』心と身体の関連臨床例」では、インガム式メソッドの紹介と、花粉症など実際の症状に合ったケアの紹介がありました。

イネス先生のお顔のワークも人気
イネス多恵子先生の「オーラルリフレクソロジー<健康と美顔セラピー>」顔や口腔の興味深い反射区とともに、実技のエクササイズも交えて、盛りだくさんのワークショップでした。

塩田先生の精油を使ったデモ
塩田知恵子先生の「アロマトロジーとは」では、精油を高濃度で局所使用するアロマトロジーの実演もあり、セラピストにとって興味深い内容でした。

青山先生はメディカル分野について
フォーカス
ワークショップ後には、メイン会場にて基調講演が再び行われました。
社会福祉法人聖ヨゼフ医療福祉センター看護師・青山素子先生による「肢体不自由者への看護におけるアロマセラピーケアの実践」。
このセンターは重症心身障害者、肢体不自由児者の方々の入所・通所施設で、患者さんの多くは身体の変形、捻じれ、筋緊張、循環障害があり、また癇癪発作を起こす方も多いそうです。
講演では実際のアロマクリームの使用例やその効果、そして医療スタッフとの連携、コスト面の対策など、現実的な側面も踏まえて、惜しみなく体験談をシェアしてくださいました。

田村先生の講演には感動の拍手が
最後の講演は緩和ケア医、NPO法人サイモントン療法協会・副理事長、彦根市立病院緩和ケア科非常勤医の田村祐樹先生による「CARE For CAREGIVER ~そのひとらしく・あなたらしく~」。院内や在宅、様々な場所で、患者さんとそのご家族に向き合う田村先生。リラックスして自分らしい時間を過ごすことの素晴らしさ、大切さを笑いとユーモアをたっぷり交えながら、語ってくださいました。
ケアする側の状態を整えておくこと、そのための手法も体験させて頂いただけでなく、先生と患者さんとのつながりのつくり方について多くのセラピスト活動に活かせる内容ばかりでした!

懇親会では楽しみ企画がいっぱい
塩田理事長による閉会の挨拶の後は会場を変えての懇親会。
カンファレンス恒例の抽選会では、協賛企業様から頂いた豪華賞品が並びました―精油やキャリアオイル、芳香蒸留水、SPAやサロンのご招待券、精油の木箱やベッドカバーなどのアクセサリー類、出版社からは、購読チケットや、図書館の年間パスポートなども!
2016年には「セラピストのためのロイヤルフリーホスピタルツアーを企画しよう!」と盛り上がっております。日本のセラピストがキース先生から英国の補完療法を直接じっくり学べる機会を作っていきたいと思いますので、お楽しみになさっていてくださいね!
IFPAアロマセラピストのための勉強会

動きも姿勢も美しくなったアロマセラピストの皆様
今回のワークショップ終了後、1月には「アロマセラピストのためのカラダの動き~ブレインジムと原始反射アプローチから」という勉強会を開催しました。
「エフルラージュの最初の1分から、最高でいきましょ!」
気持ちが100%だけでも、足りない。美しい動きは自分でつくるのです。人の真似だけではない世界が、最高のタッチを生み出します。
こちらをテーマに、ほとんど実技の内容。
終了後のフィードバックでは、
「ブレインジムのおかげか、以前よりスムーズに動ける自分がいて、今日の講座で更にラクに身体が動くようになりました」
「脳と身体のつながりがよくわかりました。自分の身体で実感したからです」
「カラダの左右のバランスを整えるきっかけになりました」
「姿勢は軸を意識するといいと言われるけれど、意識してもできなかったことが、すっと、変化して、立ち姿勢も、とてもラクになりました」
というフィードバックをいただきました。動きの濃ーい時間。セミナ―後半の動きと姿勢、表情の変化を、自分で感じられるだけでなく、一緒に参加された方の姿を直接見ることで、変化を全員で確認しました。観察眼も刺激する脳トレ、皆様お疲れ様でした!
英国ロイヤルフリーホスピタルでアロマセラピーを提供するキース先生も、「病院でトリートメントするときはベッドが使えない時もあるくらいだから、何人でも、どんな姿勢になったとしても、いい状態でトリートメントするための自分づくりが大切」と話されていました。
私自身、英国で働いている時に、箸で「ざるそば」も食べられなくなるほど手を痛め、そこから動きを全部見直して、アロマセラピーならではの動き研究したものです。
その後は、負担のかかる動きと理想的な動きの違いを理解するだけでなく、フォーム習得のための応援方法が私の中にあり、明るい成長の「場」を提供でき、うれしく思います。
セラピスト向けのプライベートレッスンでは、「質の高い動きとタッチ、トリートメントづくり」を目的にお伝えしています。
「先生!Jリーグの方が来ても、大丈夫でした!」「お客様に『すごく気持ちよい手だった』って、喜んでもらえる!」という声が届きます。
上手い人の真似をするだけでは、物足りない、自分の強みを生かしたトリートメントこそ、人が真に喜ぶもの。私自身もそうですが、アロマセラピストの方が楽しく仕事をしていくためのサポート活動、これからも続けていきたいと思います。