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●ホルモンの不調に対する 足 x 東洋医学のアプローチ●
~セラピューティック リフレクソロジー来日セミナーレポート~
2017年 IMSI学院長 冨野玲子

南アフリカDI本校にて

「全てのセラピストに東洋医学を!」そんな想いで、これまで約15年間、IMSIにてセラピスト育成にあたってきました。東洋医学を活用すれば、「リラクセーション」のみならず、内臓や感情にアプローチができ、症状の根本の原因を読み取ったり、体質の改善を図ったりすることができるのです。「日本のセラピストのレベルを底上げするには、東洋医学を伝えていかなければ~!」そう思っていた矢先、セラピューティック リフレクソロジーと出逢ったのです。

南アフリカで国家資格のセラピューティック リフレクソロジーとの衝撃的な出逢いから3年後の2014年より、南アフリカDI本校と同じ内容が学べるディプロマコースをIMSIで開講しています。まだまだ数は少ないですが、志の高い卒業生さん達と「東洋医学で診立て自然療法で施術をする」というのが特徴的なリフレクソロジーで、一人でも多くの健康な日本人を増やしていきたいと思い、日々活動中です。

さて、2016年の秋、私の師匠である南アフリカDI本校の校長インガ・ドーガン先生が来日し、ホルモンをテーマに2日間のワークショップを開催しました。どんな年代の方にも関連の深いホルモンの不調とリフレクソロジーについて、セラピューティック リフレクソロジーのアプローチを伝えします。

 

ホルモンは、自分でつくるもの!

「不調を感じて医師に相談すれば、ホルモン値を検査して、薬が投与されるかもしれない。でも、本来ホルモンは身体の外から来るものではなく、自分でつくるもの」そんな話から始まった今回のワークショップ。

東洋医学では「ホルモン経」と名前のついた経絡はありませんが、経絡の走行を見てみると、胃経は、胃だけでなく、甲状腺、乳腺、卵巣・・・、脾経は、子宮、乳腺、膵臓・・・、肝経は、その内枝が、脳の視床下部や下垂体など・・・多くのホルモンに関する器官を巡っているのです。

そして、私たちが些細な事だと思う症状、例えば、膝の痛み、巻き爪、大腸の問題、乳房の腫れ、月経痛や月経不順、更年期障害、「チョコレートをやけ食いしてしまう!」なんてことも、実はある内分泌腺による「私は燃え尽きてしまう~!!」という叫びなのかもしれません。この身体の声をよく聞くためには、まずは経絡をマスターすることが重要です。

世界一ヨウ素を摂取する日本人の甲状腺は・・・?

ヨウ素のテスト

甲状腺の活動に必要な栄養素と言えば、ヨウ素です。海藻を食することから、世界一ヨウ素を摂取していると言われる日本人は、世界一甲状腺のトラブルが少ないかと言うと・・・、そうでもありません! 生活習慣の変化、加工品の摂取などにより、私たち日本人の体質も、どんどん変わっていっているのです。甲状腺を通っている経絡は、ズバリ胃経! 胃の調子を整えることが、ヨウ素の消化吸収をサポートし、甲状腺の健康につながるということ、東洋医学の古典の教科書にはそのような説明は載っていませんが、経絡を見ていくと明らかになってくるのです。

 

副甲状腺と五行の水の要素

土の要素が真ん中の五行

副甲状腺は、普段あまり注目されない器官ですが、神経、筋肉、感情、そして、私たちの細胞全てにとって必要なカルシウムの代謝に重要なホルモン分泌器官です。

経絡としては、腎経の内枝が通り、五行としては「水の要素」に属しています。腎結石ができたら、「カルシウムの過剰摂取」と言われるかもしれないし、骨粗鬆症になったら、「カルシウムを摂りなさい」と言われるかもしれません。でも、本当に大切なことは、私たちの身体が摂取した食品を分解し、カルシウムを吸収し、役立てること。それには、やはり消化器が大切なのです。

東洋医学がベースとなっているセラピューティック リフレクソロジーですが、ここでの五行の図は、「土の要素」が真ん中に来ているユニークな形をしています。これは、消化器系が最も重要な要素という理論を物語っているのです。東洋の古典に忠実でありながらも、現代人に合った形に、常に新しい解釈を加えていくのがセラピューティック リフレクソロジーの特徴です。

 

足の全ての趾は性ホルモンと関連

経絡で身体からの警告を読み取る

足を通る経絡と生殖器系の器官の関係を見ると、大変興味深いことが分かります。

  • 内枝が第五趾を通る腎経は、子宮と前立腺を通過します
  • 第五趾を通る膀胱経は、卵巣と精巣に伝達される神経を司る腰椎3番と連絡します。
  • 第一趾を通る脾・膵経は、子宮と乳腺を通過します。
  • 第二趾と内枝が第三趾を通る胃経は、卵巣と乳腺を通過します。
  • 第一趾を通る肝経は、子宮や精巣、外生殖器を通過し、視床下部や松果体とも関わります。
  • 第四趾を通る胆経は、卵巣を通過し、エストロゲンとプロゲステロンのバランスに関わります。

つまり、足を通る6本全ての経絡全てが、生殖器系と関連してきます! 生殖器系の問題が起こった時、どの経絡に弱まりがあるかは、それぞれの経絡の走行に注目すると見えてくるのです。例えば、ニキビがフェイスラインに見られる場合、「ホルモンのトラブル」と診断されホルモン剤が、処方されるかもしれません。でも簡単にホルモン剤を服用することが、解決策でしょうか・・・?

身体は、必死で私たちに警告を発しているのです。特に、ホルモンの不調は、身体の中の信号機が壊れて、色んな車が、メチャクチャに走ってしまうようなもの。他の心身の機能にも大きな影響を与えます。

私たちセラピストは、「ホルモン不足」だからと、ホルモンの補充をする代わりに、身体の声を聴きながら、身体全体のバランスを回復させることが仕事なのです。フェイスラインは、胃経の経絡。胃の問題を解決しない限りは、ニキビを無理矢理抑えたとしても、また別の所に警告が現れるでしょう。

 

病気にならないためにするべきこと

経絡は、その走行を確認すると、その名づけ元となっている臓腑のみではなく、多くの臓器を通過しています

例えば、「胃の経絡」は胃だけではなく、目の下、顔面(フェイスライン)、喉、甲状腺、乳房、大腸、卵巣、鼠蹊部、膝、足の第2趾などを通っています。

胆の経絡であれば、胆嚢だけでなく、目尻、こめかみ、側頭部、頬、顎関節、首の横、肩脇、卵巣、股関節、足の第4趾などを通っています。

経絡の滞りがあると、身体はその走行に沿って、多くの警告を発してくれます。警告を無視したり、対処療法を続けていると、いつの間にか「病気」となって現れてくるのです。

セラピューティック リフレクソロジー実技の様子

では、「病気」にならない為には、どうしたら良いのでしょうか?

1つ目は、なるべく「毒」を入れないこと。

「スーパーで売られているパンが“フワッフワ”なのは何故? 小麦はズッシリと重いはず。」「スーパーで売られている発酵食品が、いつまでも発酵が進まないのは何故?」このように「普通に考えればオカシイ!」という感覚を持ち合わせていれば、毒が身体に入って来る機会も減らせるはずです。

2つ目は、消化器系の健康が全ての基本

ホルモンに限らず、細胞や分泌物などは、外から来るのではなく、食べ物から自分で作るものだということ。どんなに良いものを食べても、しっかりと消化して、食べ物を分子にして、吸収することができなければ、私たちは何も作ったり使ったりすることはできないのです。

3つ目は、定期的なトリートメント!

私たちの身体は「分子」の固まり。病気を発生させる毒素も「分子」。毒素の分子がくっ付いて、気血の流れをブロックしようとしたとき、ブンブンブンッと、身体を振って、毒素のくっ付きを取ってクリーニングしてあげればよいのです。

私たちの身体は「分子」の固まり。病気を発生させる毒素も「分子」。毒素の分子がくっ付いて、気血の流れをブロックしようとしたとき、ブンブンブンッと、身体を振って、毒素のくっ付きを取ってクリーニングしてあげればよいのです。

長年南アフリカで“治療”として実践されてきたセラピューティック・リフレクソロジーは、「経絡のクリーニングに最も効果がある!」と創始者のインガ・ドーガン先生が自信を持つテクニック。滞りのある経絡にヒットすると、汗が噴き出すような痛みを感じるのが特徴。でも、長く続く嫌な痛みではなく、スッキリ爽快です。体験してみないと分からないのですが、普通とは、かなり違う効果があるのです。ワークショップでも、僅か10分程度の施術で「暑い!」と上着を脱ぐ方や、お手洗いに駆け込む方もいらっしゃいました。

 

健康は、お金に換えられない大切なこと

遊んでいるように見えるが結果の出るテクニック

リフレクソロジーが国家資格の国、南アフリカでは、リフレクソロジーに禁忌はありません(もちろん、注意点はあります)。むしろ、赤ちゃん、妊婦さん、高齢者、病気や障がいをお持ちの方、人生の最期に近づいている方など、日本ではトリートメントを受ける機会がなさそうな人たちにこそ、リフレクソロジーが推奨されています。

「私たちがやっているのは、傍から見たら“趾で遊んでいる”だけ。危険なことではありません。きちんと学んだリフレクソロジストであれば、結果を出すことを、恐れないで!」そんな力強いメッセージを、インガ・ドーガン先生は日本の私たちに贈って下さいました。

 

来日ワークショップご参加の皆さま

健康は、お金に換えられないほどの大切なことです。病気になってしまったら「お金をたくさん払うから元に戻して~!」と泣きついても、元通りにはなりません。セラピューティック リフレクソロジーの創始者であるインガ・ドーガン先生は、「リフレクソロジストになって40年間、一度も医者にかかっていない! 健康保険を一度も使っていない! リフレクソロジーがあるから!」とおっしゃっています。私も、密かにインガ先生を目指していますし、この南アフリカからの大切な教えを、もっともっと日本中に広げていきたいと思っています。

 

南アフリカで“治療”のリフレクソロジーを
余すところなくお伝えします!

セラピューティック リフレクソロジーのディプロマコースでは、南アフリカで行われている国家資格のリフレクソロジーを、理論も技術も、余すところなくお伝えしていきます。もちろん、日本では法律上“治療”とは言えませんが、東洋医学を駆使してクライアントの症状の原因を追究し、根本から改善できる真のプロフェッショナルセラピスト、これからの日本で活躍の場がドンドン増えてくることでしょう。

 
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