SEMINARS & EVENTS

●五臓のSPA 開催報告●
~ガブリエル・モージェイ来日ホリスティック・リトリート~
IMSI学院長 冨野玲子

リトリート開催に至るまで

2017年7月、ガブリエル・モージェイ先生と行くホリスティックリトリート~五臓のSPA~が、開催されました。

「前世は日本人!」と自分でおっしゃるガブリエル先生は、京都、飛騨高山、上高地などへひとり旅をしたことがあり、ユズ、クロモジ、ヒノキ、ヒバ、トドマツなど・・・、和の精油も大好きです。

「自然のエネルギーをたくさん感じながら、ガブリエル先生から東洋医学とアロマをミッチリと学ぶ機会をつくれたら・・・。

そうだ!7回目の来日は、リトリートにしよう!」 という名案を思いついたのは、1年前のことでした。

 

リトリートとなると、場所も重要です。

以前、ガブリエル先生が休日に行く場所を探してしていると、受講生の方に「高尾山か御岳山はどうですか?」と勧められ、結局、時間の関係で高尾山しか行くことができなかったことを思い出しました。

「あの時行けなかった、御岳山!」と思いつき、可能性のあるお宿をピックアップして下見に行き、ご縁のあった場所が、今回の開催地・藤本荘さんだったのです。

 

実は、前日に「マッサージベッドが搬入できない~!」という致命的な大ハプニングがあったのですが、藤本荘さんの神がかったサポートにより、無事にガブリエル先生と参加者の皆さまをお迎えすることができました。

古くから山岳信仰の場所として親しまれてきた御岳山。
山のふもとから頂上までの間にいくつもの神社が点在していて、山頂には武蔵御嶽神社が鎮座しています。藤本荘さんも、40代以上続く神社なのだそうです。

ふもとから頂上までの道には、樹齢千年もの木がそびえています。7月末の時期は、レンゲショウマ(蓮華升麻)の花が、花盛りでした。日本の固有種で、御岳山は、日本一の自生地なのだそうです。

 

五臓のSPA初日

初日は、「17時頃集合」という、ゆる~い開始。北から南まで、日本各地から参加者の皆さまが集まってきました。

参加者は、薬剤師、看護師、臨床検査技師、理学療法士などの医療従事者や、会社員、セラピスト、主婦など、様々。まずは、武蔵御嶽神社に、皆で参拝です。

夕食後は、輪になって、皆さん初顔合わせのミーティング。

様々な想いを胸に、この3泊4日のリトリートに参加してくださったことが分かり、初日から胸が熱くなってしまいました。

 

五臓のSPA2日目<腎と脾を強壮する>

朝は、導引(古代東洋の体操療法)エクササイズから始まりました。学生時代にマクロビオティックを学んだガブリエル先生が、久司道夫先生から学んだエクササイズなのだそうです。

ツボをトントンと叩いていく導引エクササイズの中のトークにも、
魚際は、粘液解消作用があるからユーカリレモンポイント、
風池は、頭脳スッキリ、スパニッシュセージポイント、
三陰交は、脾の気を強壮するカルダモンポイント・・・など、

東洋医学とアロマセラピーの学びがたくさんありました!
ツボをトントンしながら、メモメモ~!という感じでしたネ。

 

スッキリと目覚めた後は、ガブリエル先生による熱い講義に突入です!
まずは、五行の概要を、じっくりと理解することから始まりました。

水は、静止する陰。
統合され、種のように可能性が秘められているステージ。

木は、上昇する陽の始まり。
発芽してイキイキと伸びゆくステージ。

火は、陽が最も開花するとき。
放射状に気が広がっていくステージ。

土は、凝縮する陰の始まり。
植物では、実りのステージ。

金は、陰の中心的なステージ。
気が集まり、融合し、変容する光合成のステージ。


人の人生に例えるならば、

水は、胎児のとき。
内なる意志の力。

木は、エネルギッシュな子ども時代。
魂(こん)とつながるとき。

火は、思春期であり、生殖能力が開花するとき。
神(しん)への目覚め。

土は、成熟し、知性がもっとも活発になるとき。
集団に属して貢献する。

金は、手放して、自分の内側に戻っていくとき。
人生の最後であり、新たなはじまり。

先生の深い言葉のひとつひとつに、感嘆の声が上がります。
霧と緑に包まれたこの環境が、この講義を更に奥深いものにさせるようですね。

 

講義では、腎と脾の不調のパターンと、その強壮作用のある精油について学びました。先生がご自身で撮りためた美しい植物の写真には、ため息が漏れます。

そして、アロマセラピストがトリートメントに組み込みやすい経穴が紹介され、相モデルでも実習が行われました。

これまで何気なく触っていた手や足や背中にも、五臓と深く関わるポイントがたくさんあるのです。

「強壮」する手技と、「発散」させる手技を使い分けるなど、結果が出せるテクニックを学んでいきました。

 

しっかり学び、実技もタップリ行った後の夕食は、格別です。
藤本荘さんの食事は、どれも本当に美味しく、皆さん大満足でした。

夕食後は、ガブリエル先生による「トドマツSHOW」こと、北海道・下川町訪問のビデオと写真の紹介が行われましたよ。

学びと癒しがたくさん詰まった1日が終了しました。

 

五臓のSPA3日目<肝と心を調和する>

寝食を共に過ごすことで、皆さんスッカリと打ち解けて仲良しになり、表情が益々イキイキと、キラキラとしてきています。

朝は、ガブリエル先生の友人のベンジャミンさんによる「チャクラのダンス」のワークショップから始まりました。

ベンジャミンさんは、CDも出していらっしゃるアーティストでありながら、フィジオセラピスト(PT)、レイキヒーラー、そしてなんと、元アルゼンチンの陸上ナショナルチームの選手で、テニスのプロとしても活躍していたというスゴイ人(本人は何も言わないので、スゴイ人だという事が分かったのはリトリートを終えてから)

 

ハートのチャクラに焦点を当て、音楽とリズムに乗って、ムーブメントのワークを行いました。

そして、ハートのチャクラを整え、オープンにして、愛情たっぷりのヒーリングを行いました。

「自分自身が癒されていれば、人に癒しを与えることができます。皆さん、ヒーラーなのです。」という、深いお言葉も頂きましたよ。

 

そして、ガブリエル先生の講義は、現代人が最も「調和」が必要な臓である、肝と心がテーマでした。

気の流れが滞ると、感情面では、イライラしたり、冷淡になったり、身体面では、筋肉の緊張や痛みなどが起こり、他の全ての機能に影響することもあります。

そんなときは、肝の調和を図り、五行の木のバランスを取ることが重要です。

また、うつや不安、不眠、焦燥感や記憶力低下、心にモヤがかかった状態など、様々なメンタルの問題に関しては、 心の調和を図り、五行の火のバランスを取ることが重要です。

様々な症状に対する東洋医学的な考察と、精油やハーバルメディスンのレシピの紹介、そして精油とツボの組み合わせが紹介されました。

太衝は、肝の気を調整し、気の流れを促進するから、ローマンカモミールポイント、

内関は、心の気血を調整し、落ち着かせるから、トゥルーラベンダーポイント、

神門は、心血を強壮し、神(しん)を支えるから、スパイクナードポイント、

少海は、心から熱と火を冷ますから、メリッサポイント、など

 

精油とセットで覚えれば、トリートメントで有効なツボの作用が、しっかりと頭に入るのです。

チャクラワークでエネルギーを整えた皆さん、実技もスンナリ、身についていらっしゃいましたよ。

 

夕食後は、スペシャルゲストが登場!

まずは、このお宿のご主人様である神主さんが、御岳山のお話と、雅楽の篳篥(ひちりき)の演奏を披露、通訳のシェーンさんが、賞を受賞したほどの腕前の和歌を披露してくださいました。

そして、ベンジャミンさんのギターのライブ演奏。

クラスの調和、そして、皆さんの五臓の調和が保たれ、癒し、学び、感激、気づきなど、たくさん詰まった1日でした。

 

五臓のSPA最終日<肺を活性する

朝は、ガブリエル先生によるチャクラワークと導引エクササイズから。

「大切なのは、自分自身とつながること。人と深く関わり、人を癒したいのであれば、まずは、自分の内面と深くつながることが大切。」

セラピストとして大切なメッセージを、ここ御岳山でたくさん受け取りました。

最終日のテーマは、「肺を活性化する」。

肺は、魄(はく)という肉体の魂 = 身体の意識、五感、動物的本能と深く関わる臓。近代社会では、視覚や聴覚からの情報が多すぎて、 魄(はく)とつながることが難しくなっています。

アロマセラピーは、嗅覚と触覚を刺激し、魄(はく)とつながることを助け、私たちが心と身体を統合させるのに、とても役立つセラピーなのだそうです。

魄(はく)の住処となっている肺が弱まると、受け取り、手放すことが困難となり、健全な境界を保つことが難しくなるのです。精神的には、悲嘆の感情をコントロールできなくなったり、身体的には、呼吸器、免疫、皮膚の問題などとなって現れることとなります。

肺の気を高めるのに有効な、コニファー調やカンファ―調の香りを嗅ぎながら、

列缺は、寒性の風邪を払う、ユーカリラジアタポイント、

天府は、肺の気だけでな、スピリチュアリティにもつながる、フランキンセンスポイント、

豊隆は、痰を取り除き、神(しん)も浄化してくれる、ローズマリーベルべノンポイントなど、

たくさんの東洋医学的アプローチを学んでいきました。

 

実技クラスでは、皆さん、ツボを取り入れたアロマセラピートリートメントも、すっかりと板に付いた様子で、短い時間のトリートメントなのに、しっかりと効果を感じられたようです。

 

私は、休み時間を使って、宿のお母さん&お婆ちゃんに、ミニセッションのプレゼントをして差し上げました。

トドマツの精油をディフューザーで焚きながら、ドライハンドでのツボトリートメントです。

 

おわりに

あっという間の3泊4日のリトリートが終了しました。
皆さん、修了おめでとうございます!

ガブリエル先生、ベンジャミンさんからの教えを、今後のセラピスト人生に、そして、自分自身や大切な人を癒すためにも、是非使ってください。

参加者一人一人に真摯に向き合い、どんな質問にも、気さくに応えてくださったガブリエル先生。出逢ってから16年経ちますが、植物とアロマセラピー、東洋医学に対する情熱が益々熱くなって、少年のように目をキラキラと輝かせて語る表情が、印象的です。

そして、「私の夢は、受講生の皆が立派なセンセイになって、私が職を失うことだ~!」なんて、ユーモアたっぷりなところ、最高です!

「ガブリエル先生から、もっともっと学びたい!」「来年の来日は、いつですか?!」なんていう声が、早くも聞こえてきました。IMSIも、益々パワーアップして、ガブリエル先生直伝の、東洋医学とアロマセラピーを、もっともっとお伝えしていきます!

セラピストが東洋医学を取り入れれば、精神面への深いアプローチや、臓器のケアなどが可能になります。自分自身も健康になれ、クライアントに対しては、もっと多くの効果をあげることが可能になります。そして、気になる症状の改善だけでなく、根本からケアすることで、大きな病気を防ぐことにもつながるのです。

私も、これからも常に学び続けて、少しでも多くの皆さまにこの自然療法の智恵をお分けしていきたいと思っています。次回のガブリエル先生の来日は、2018年の秋頃を予定しています。自然療法の国際総合学院IMSIのウェブサイト、フェイスブックなどで告知される予定ですので、楽しみになさってくださいネ。

 
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