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●南アフリカよりインガ・ドーガン来日ワークショップ●
~セラピューティック・リフレクソロジー呼吸器と皮膚 開催報告~
2019年(IMSI学院長 冨野玲子)

2019年9月、南アフリカより、インガ・ドーガン先生が来日されました。

リフレクソロジーの治療効果を証明し、世界で唯一、国家資格に導いたインガ先生は「セラピストは、自分が病気になる訳にいかない!」というのがモットー。セラピストになってから一度も病院に行かず、健康保険にも入っていないのだそうです。

私のセラピスト人生に多大な影響を与えた師匠を、日本の皆様にご紹介することができてとても嬉しく思います。

 

古代エジプトの壁画より

ワークショップは、インガ先生がエジプトを旅して実際に見た、壁画の写真の解説から始まりました。リフレクソロジストなら誰もが知っている壁画ですが、本やインターネットで言われていることとは全く違うことが発覚したのだそうです。どんな情報も簡単に手に入る便利な世の中ですが、インガ先生のように実際に自分の足を使って行動する人こそが、真の情報を手に入れられるのですね!

 

経絡の内枝を読み取るのが秘訣

今回のワークショップの主なテーマは「呼吸器系と皮膚」。でも、「喘息はここ、気管支炎はここ、風邪はここ・・・」といったツボを学ぶ訳ではありません。セラピストとして、「肺や気管支を通る経絡」を考えるならば・・・、それは、胃経、腎経、肝経!一般に知られている表面の経絡だけでなく、古代の文献に記されている「経絡の内枝」、つまり「身体内部を通るライン」にも注目する必要があるのです。

例えば、「大腸経」の経絡は、一般の経絡本では「人差し指から腕、肩を通って鼻のキワへ」と言われていますが、これでは大腸を通っていません。古代の文献では、鎖骨から身体内部に入り、肺を通って大腸にまで届いています。40年にもなるインガ先生のセラピスト経験で得た知見と、この経絡の内枝のラインは、ピタリと一致するのだそうです。

 

「足は嘘をつかない!」

医師はどのウイルスによる感染症かといった「外からの原因」を調べ、病名を付けますが、セラピストにとって大切なことは、「その器官にはどの経絡が通っているか」ということです。例えば、小児喘息だった子どもが、思春期になって顎のニキビに悩まされ、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と診断されたならば・・・、医師はバラバラに治療するけれども、私たちはそれらの器官を通る経絡「胃経」の滞りであることを確認し、胃経を整えるトリートメントをするのです。また、胃が胃酸をしっかりと分泌し、消化をサポートするようなアドバイスも重要です。

「経絡、難しい・・・!」という悲鳴が聞こえてきそうなのですが、実は、経絡をしっかりと学んでいなくても、ちゃんと結果が出せるところが、このセラピーの素晴らしい所でもあります。でも、「足は嘘をつかない!」「足はレントゲンのようにクリアに人体を写し出す」というインガ先生の言葉を聞くと、「経絡や反射区をしっかりと勉強せねば!」という気持ちになりますよね!

 

オペラ歌手の歌声のようなリフレクソロジー

実習タイムが始まりました。「オペラ歌手の歌声」が空気のバイブレーションを引き起こすように、私たちのリフレクソロジーは身体の細胞や組織にシッカリとしたバイブレーションを引き起こします。セラピューティック・リフレクソロジーは、全く強い圧はかけないのに、足から離れた部位の滞りも、爆破してくれるようなパワーがあります。趾をグリグリと刺激するだけで、アチコチから悲鳴や歓声が聞こえてきました。「No Pain, no gain! (痛みなくして得られるものは無い!)

」のトリートメントなのです。たった数分で、額や手に汗をかいた方も。そして、多くの方が「熱い!」と感じ始めました。まさに、バイブレーショナル・メディスン(波動医学)。施術する側まで、熱くなってくるのです。

最後は、クリームを塗布してリラックスタイムで終了。所要時間は10分~15分で、足に存在する6つの経絡を隈なく刺激し、身体の全ての臓器と器官にバイブレーションが到達しています。同じ施術でも、効果は人に寄るもの。私たちが今日したことは、自然治癒力の刺激であり、治すのは自分自身です。この後、ヒーリングリアクションが始まります。

 

好転反応の素晴らしさ

景色の良いレストランでクラスランチ会

現代人は、たくさんの化学物質、放射能、大気汚染、電磁波など・・・、たくさんの毒に晒されています。どんな自然療法にも、好転反応というのはありますが、セラピューティック・リフレクソロジーは、「細胞を揺さぶる」ようなセラピー。経絡にドッサリと捨てられた毒が、全身の細胞が揺さぶられた後、出口を探すのです。

リラクセーショントリートメントに比べて、セラピューティック・リフレクソロジーは、好転反応を感じる方は、多くいらっしゃいます。インガ先生のクライアントが猛烈な好転反応を起こした時、家族から苦情の電話もあったそうです。でも、トリートメント後に起こる反応は全て、治癒反応。「身体のごみ箱を空にする」ような喜ばしいことで、そういう時こそ、続けてトリートメントを受けるのがお勧めです。ドッサリ溜め込んだ毒によって、徐々に病気になるのを選ぶのか、時々クリーニングするほうを選ぶのかは、クライアント次第ですが、セラピストによる説明が大変重要ですよね!

好転反応についてしっかりと説明すれば、嫌がられるどころか、クライアントがリピーターになってくれ、「家族にも受けさせなきゃ!」と、どんどんお客様を紹介してくれるのだそうです。

 

何故、人は病気になるのか?

休憩時間も、質問やサインで、
インガ先生の前に列ができていました

人は、いきなり病気になることはありません(本人はそう思っていたとしても)。徐々に階段を降りたり、上がったりしているのです。定期的にセラピーを受けることは、一歩階段を上がることにつながります。定期的なセラピューティック・リフレクソロジー、受けたい!受けなきゃ!!ですネ。

今回のワークショップは、呼吸器系と皮膚が主なテーマでしたが、どの器官系や病気であっても考え方は同じです。インガ先生の伝えたいただ一つのメッセージは、「経絡を診よ!」。女優のアンジェリーナ・ジョリーさんのように1つの臓器を心配するのでは、病気は防げないのです。

菌、ウイルス、ストレス、遺伝など・・・、医師は病気を「何かのせい」と言いますし、それによって安心(?)する患者もいるかもしれません。でも、セラピストの見る世界は、医師が見る世界と違います。身体の内部環境の乱れが病気を引き起こす、そして、治癒させるのは、医師でも薬でもなく、その人の身体自身なのです。

 

「消化よければ全てよし!」

さて、「経絡を診よ」と言われても、例えば、乳房の病気になったら・・・?乳房を通る経絡は、腎経、胃経、脾経、胆経と4つもあります。「では、その4つのうちどれなのか・・・」と考え過ぎてしまうと、日が暮れてしまいそうですし、私たちは「アナタ、この経絡が弱ってる!」と「診断」することが仕事ではありません。理論はどうであれ、目の前のクライアントを、少しでも健康に近づけることが任務です。

そこで、まず重要なことは・・・、クライアントの消化器を元気にすること! 胃経と脾経(内枝も含む)の走行を見ると、頭部から足先まで通り、胸腹部の全ての臓器を通過しています。正に、「消化良ければ全てよし!」なのです。

 

インガ先生おすすめの健康法

インガ先生がクライアントに勧めている胃の健康法、リンゴ酢とレモンジュースの試飲が行われました。これに加えて、海塩もとても良いそうで、インガ先生は健康のために海塩水を飲んでいるそうです。インガ先生は、高血圧で医師から塩分を制限されている男性に、「良質な海塩(テーブルソルトではない)を摂ったほうが良い」と勧めたところ、血圧が下がり、更に持病の憩室炎も治ったそうです。

今回のワークショップでは、テーブルソルト、加工食品、小麦、乳製品、そしてワクチンに潜む有害物質など・・・、様々な「病気の原因」についても語られ、私たちも沢山考えさせられました。 「自分で調べてください!」インガ先生は、ワークショップ中、何度もこの言葉を口にしました。授業では、情報は与えられますが、それをしっかりと学び取って、自分のものにして、クライアントを教育するのには、聞きかじった知識ではダメなのです。「気になることがあれば、すぐに調べる」それがセラピストとして、人としての成長に繋がります。r

 

おわりに

「日本人女性は、なんて我慢強いんだろう!」とインガ先生が驚きました。

足にシッカリとサインが出ているのに「何でもありません」と言う受講生の方が多かったからです。「もっと自分の身体に素直に耳を傾けてください、そして、自分を労わりましょう!」というメッセージで、2日間のワークショップが終了しました。
皆様、修了おめでとうございます!!!

セラピストとしてのステップアップはもちろんですが、「セラピストだから、病気になる訳にいかない!健康保険にも入っていない!」と言うインガ先生の生き方、暮らし方に、相当インスパイアされたのではないでしょうか? インガ先生のお歳になって「私が証明です!」と言えますように、皆さん、共に頑張りましょう。

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