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●大切な人の心身の健康を守る!●
~2020年ディエンチャン顔反射療法アドバンスコース開催報告~
2020年(IMSI学院長 冨野玲子)

1年前には誰もが予想していなかった、何もかもがスペシャルな2020年。

「このような時こそ心身の健康に役立つことを専門的に学ぼう!」と、沖縄から北海道まで全国各地から、志の高い受講生さん達がベトナム医道ディエンチャン顔反射療法を学ぼうと、表参道のIMSIに集まってくださいました。

2ベトナムからタム先生夫妻の来日は叶いませんでしたが、オンラインでベトナムと日本を繋いでタム先生の貴重な臨床例を伺いながら、IMSIでは私・冨野が理論と実技の担当をするという方法で、例年と変わらない(というか毎年アップデートされている)内容をお届けすることができました。

 

Day1:白内障、緑内障、飛蚊症、近視、老眼、認知症、パーキンソン、うつ、ナルコレプシー、乳癌術後のケアなど

まずは、基礎コースの復習として、ディエンチャンの施術原則をアップデートしていきます。

これは、鍵職人の道具のようで、色々な道具(ディエンチャンの原則)を組み合わせながら、どんな鍵(人の体質や病気)にもピタッとはまる方法を探していくという、ディエンチャンの最も重要な原則です。

身体や病気の陰陽の判別とディエンチャンへの応用も学びました。
この方法を活用することで、コンサルテーションで質問をするだけではなく、ディエンチャンの道具やツボ押しで、その人の体質が陰か陽か、容易に判別が可能になります。

ディエンチャンの伝説の手技、6リンパのアップデートである8リンパが紹介されました。

これは、タム先生の病気の人の顔の観察から生み出されました。日々の健康促進や、自然治癒力のサポートだけではなく、病気の早期発見や未病のうちに治すことにもつながります。

 

オンライン上にタム先生が登場すると、拍手が起こりました! 長年に渡る臨床経験から編み出された、白内障、緑内障、飛蚊症、近視、老眼など、目のトラブル全般に効果的な目の総合フォーミュラが紹介されました。

眼瞼下垂のケアは、顔だけではなく、手、背中、足の反射区を使います。アルツハイマー病、認知症、パーキンソン、統合失調症、片頭痛、脳の虚血、めまい、メニエール、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、不眠、ストレス性疾患、うつ、風邪、ナルコレプシーなどにも症例にある、頭部の総合フォーミュラ「天羅地網」というフォーミュラも伝授されました。これは、タム先生が長年の経験から生み出したテクニックです。

乳がんで脇のリンパ切除後のむくみ、痛み、痺れのケア。患部に直接ボディ用ローラーなども使います。犬の漏斗胸について学びました。最後の犬の漏斗胸は、タム先生自身は「経験ない」と言いつつも、その場で調べたり色々考えたりしながら、真摯に答えてくださいました。

沢山のフォーミュラが全て頭に入っているタム先生の頭の中は、一体どうなっているのでしょう!?? タム先生らしく、笑顔を絶やさず、サービス精神タップリでお伝えくださいました。鍼灸がベースになっているディエンチャンは道具を使うのが特徴ですが、道具がなくても、知識があれば、手やその辺にある日用品も応用することができます。皆さん、ディエンチャンの知識と技術をアップデートしながらも、セラピストとして大切な基本も学んでいます。

 

Day2:脳神経、顔面麻痺(リフトアップ)、内分泌、糖尿病、妊産婦、子宮筋腫などのケア

Day2は、脳の反射区の中でも、特に12対の脳神経に対応する顔のツボを学びました。嗅覚、視覚、聴覚・平衡感覚、嚥下、発声、顔面の感覚、表情筋つくる、唾液分泌、味覚など。それぞれの神経の働きを学びながら、対応するツボの位置を正しく捉えていきます。

脳神経の問題の中でも、特に多いのが顔面神経麻痺。ベトナムでも、豊かになった現在では「冷房や扇風機に当たり過ぎ」という理由や、ストレスなどの精神的な理由によって、顔面神経麻痺の患者さんが増えているそうです。故に、ディエンチャンの症例も豊富にあります。

ディエンチャンによる顔面神経麻痺の手当ての実習を行いました。ハンマーでツボをしっかりと叩いた後、棒でグイグイとリフトアップ、最後にシールを貼っていきます。嬉しいことに、顔面神経麻痺ではない方に行うと、リフトアップ効果もあるそうです。

内分泌系とディエンチャンのツボについてもタップリと学びました。内分泌系全体を活性化するフォーミュラもありますが、視床下部、下垂体、松果体、甲状腺、副甲状腺、胸腺、膵臓、副腎、卵巣、精巣など、個々の内分泌腺に対するツボも学びました。「ツボ押し」は、極めて安全性の高いテクニックであり、病気の方にも殆ど禁忌は無く、病院での治療と並行して使えますし、また未病の段階では、未病のうちに改善する働きもあります。ただ「元気になりたい」「健康になりたい」「若返りたい」という方にもおすすめのケアです。

妊娠初期には注意点がありますが、妊婦さんのマイナートラブルには、これほど安全で効果的なケアはありません。産後の体調の回復にも大変おすすめです。ベトナムでは、産後、身体が重くて仕方がなく‟除霊”に行っても良くならなかった方が、ディエンチャンのケアを受けてアッという間に体調回復したなんていう話もありました。もちろん、ツボ押しだけではなく、陰陽バランスの取れた食生活も大変重要です。特に、妊娠中の柑橘類の食べ過ぎには、注意が必要です。 子宮筋腫や卵巣嚢腫など、身体の内部に「コブ」のある方には、「霧だれ棒」という道具を使います。とても小さな道具ですが、使い方は通常のツボ探し棒と同じで「生きたツボ」を探していきます。道具が小さいほど、ピンポイントで身体の深部に働きかけるのです。

前日にタム先生から学んだ目の総合フォーミュラの実習を行いました。白内障、緑内障、黄斑変性症、老眼、近視、遠視、眼精疲労など、目の問題全般に対して使えるフォーミュラです。特に目の病気がない方でも、目を酷使している現代人にとっては必要なケア。ツボ探し棒、ハンマー、ローラー、コームなど、ディエンチャンの道具を駆使して行いますが、慣れればアッと言う間にできてしまいます。皆さん、僅か10分程度の施術で、目がパッチリして、「遠くまで見える!」「目が楽!」という声も挙がりました。

Day3:痛み、痒み、抵抗力向上、胆石、白血病、バセドウ病、糖尿病、副腎機能低下症、乳がん、子宮筋腫、卵巣嚢腫、腎盂腎炎、逆流性食道炎、裂孔ヘルニアなどへのアプローチ

ディエンチャンの教本に従って、痛み、痒み、気を上げる/気を下げる、血圧降下/上昇、抵抗力向上、抗炎症、整腸、利尿など、様々なフォーミュラとそのツボの位置について学びました。

反射区は部位を示しますが、ツボは部位を示すほかに、「上げる」「下げる」「止める」など、様々な作用を持ちます。

つまり、反射区とツボを併用することで、例えば「腎の気を上げる」「肺の気を鎮静させる」と言ったような、部位と作用の両方に働きかけることが可能になって、様々な症状や体質改善にとても役立つのです。

胆石、腫瘍、寄生虫のケアに多くの症例を持つ「色塗り」というテクニックの実習を行いました。ベトナムでは、がん患者さんにも多くの症例を持つテクニックです。

「神の手の6ライン」と言われる、タム先生直伝の背中のトリートメントの実習を行いました。背中は顔の反射区ですから「背中がこっている」というのは、実は大問題なのです。

病気を自然治癒力で治すのにも、健康増進するのにも、背中のケアはとても重要。ゴリゴリゴリ・・・と、背中の重要なラインを2イン1という道具でほぐしていきます。

このテクニックは、緊急時にも使えますが、所々でスヤスヤという気持ちよさそうな寝息も聞こえてきました。

 

お待ちかねのタム先生の登場! 今日も笑顔で受講生さん達からの質問に、片っ端から答えてくださいました。バセドウ病、糖尿病、下垂体腫瘍、甲状腺腫瘍、乳がん、子宮筋腫、チョコレート嚢胞、副腎機能低下症、肥満、逆流性食炎、裂孔ヘルニアなど。

シンプルなディエンチャンのケアで数週間で症状が改善されたという症例や、重篤な病気の方が食養生で長年に渡って生き延びた話など。どれも実体験に基づいたタム先生の貴重なお話をお聴きし、一同「へぇ~!!!」が止まりませんでした。

Ⅱ型糖尿病には、鼻の下に陰のローラーをかけるのがおすすめ。Ⅰ型糖尿病は治すのが難しいのですが、Ⅱ型糖尿病は、シンプルなディエンチャンのケアでもかなりの改善例があるそうです。

 

Day4: 腫瘍、不妊体質などにおすすめの食養生、喘息、ポジティブにクリエイティブになれる陰陽気功と「天羅地網」の実践

連日の授業でも、受講生の皆様は疲れも見せず、お顔がどんどん明るくなって、リフトアップされていきます。

まずは、前日のタム先生の教えの復習を。腫瘍やバセドウ病などに使える、「部位を示すツボ」&「こぶ腫物のフォーミュラ」や、色塗りテクニックなど。タム先生のツボの選択の意味が明確に分かれば、他の疾患や体質をお持ちの方にも、自分でツボの選択をしやすくなります。

併せて、腫瘍や不妊など陰の体質を改善するのに大変おすすめの食養生や、喘息のフォーミュラなどを学びました。

食養生も、ベトナム医道ディエンチャンでは重要な要素。生のターメリック、蜂蜜、卵黄を使った滋養強壮レシピの紹介がありました。ターメリックは、本当に素晴らしい食材です。ベトナムの人々は普段の食生活に取り入れていますが、日本でももっと生のターメリックが流通すると良いですね。

ディエンチャン創始者のチャウ先生が「亀の呼吸」を観察して編み出された静かな氣功法、陰陽気功を実践しました。

見た目の静けさとは裏腹に、頭がクリエイティブ、ポジティブに、身体はポカポカに活性化されます。

もちろん、鎮静&リラックスも自由自在に。チャウ先生は、この氣功で頭がクリエイティブ&ポジティブになり、後にディエンチャン顔反射療法を思いついたのです。

 

認知症、うつ、統合失調症、パーキンソン病、不眠症、ナルコレプシー(居眠り病)、副鼻腔炎、片頭痛など、様々な頭部の問題をお持ちの方におすすめの総合フォーミュラ「天羅地網」の実習を行いました。

細いツボ探し棒、コーム、2イン1、太いツボ探し棒を使う、壮大なフォーミュラです。

皆さん、頭はスッキリ、身体がポカポカしてきました。

 

Day5: 帯状疱疹、リウマチ、痛風、脊柱側弯症、五十肩、肩腱板断裂、アトピー性皮膚炎、喘息、鼠蹊ヘルニア、慢性鼻炎、メニエール病、胃下垂、片麻痺、コロナ対策、風邪予防、免疫アップ

東洋医学の伝統的な理論をディエンチャンの施術に取り入れることを学びました。

陰陽五行論、五臓六腑理論を取り入れたツボの選択、時間帯により臓腑を流れる気を考慮したツボの選択、経絡のラインに沿っての施術や、経絡の流れの反射区を活用した施術など。

伝統的な東洋医学の医師が使っていた理論を活用しながら、ディエンチャンの施術に役立てていくことが可能になります。

西洋医学的には「原因不明」と言われてしまう問題でも、東洋医学では「できることがある!」と考えられるのです。

 

本日も、タム先生が満面の笑みでオンラインに登場してくださいました。

脊柱管狭窄症をお持ちの方には、新しい道具 「ロケット」が紹介されました。帯状疱疹のケアは、アトピー性皮膚炎と一緒で、皮膚のピリピリ感を抑えるフォーミュラ。リウマチには、炎症を抑えるフォーミュラや関節への反射区を使います。肩関節の問題には、筋肉には肝のケア、骨・関節が原因なら腎のケアを。喘息は、普段使いのフォーミュラに加えて、発作が起きた時に顔を手で擦る応急処置も学びました。

鼠蹊ヘルニアは、安静にしながらも、鼻のキワの鼠蹊部の反射区や「気を上げる」フォーミュラを使います。慢性鼻炎、メニエール病、は先日習った「天羅地網」のフォーミュラがおすすめ。

胃下垂は胃の反射区を持ち上げるように施術を行います。片麻痺で患側は機能回復を図りながら、健側は強化したい場合は、顔の反射区や背中、頭部を丁寧にケアした後、手足を直接ボディ用のローラーをかけていきます。

沢山の病気の方と向き合ってきた、臨床経験豊富なタム先生の言葉は、深みがあります。

「この時期に学んでくれた皆さんにボーナス!」と言ってコロナ禍におすすめの「免疫アップ! 風邪予防! 風邪を引いた時にも使えるケア」を教えてくださいました。 笑顔いっぱいでサービス精神たっぷりのタム先生、来年は、元気にお会いできますように!

 

Day6: 遠隔ヒーリング、カイロプラクティック理論の応用、五臓のケア、高血圧、認知症・高齢者ケア、健忘症、自閉症、顔診断など

前日のタム先生直伝のフォーミュラのツボ番号や位置を、皆で確認しました。帯状疱疹、アトピー性皮膚炎、痛風、脊柱側弯症、五十肩・肩腱板断裂、喘息、鼠蹊ヘルニア、慢性鼻炎、メニエール、胃下垂、片麻痺など・・・、色々と復習しました。病名が色々と出てきますが、学んでいるのは、「病気のケア」ではありません。あくまでも、自然治癒力を促進させるアプローチであり、体質改善のケア。ですから「帯状疱疹」と「アトピー性皮膚炎」の質問へのタム先生の答えが、全く同じだったりもするのです。

世の中の全ての病気についての答えを学ぶことはできなくても、考え方・捉え方をしっかりと学ぶことで、これからどのようなケースに遭遇しても、自分で考えてアプローチを導き出す方法が身に付きます。「習っていないからできない!」ということは、ディエンチャンには無いのです。

ディエンチャンの遠隔ヒーリングの実習を行いました。東洋医学は「気の医学」ですが、「気」は、触れなくても分け与えることができ、空間を超えて飛ばすこともできます。ディエンチャンの遠隔ヒーリングは、特別な訓練は必要ありません。相手が、ここに居なくても。そして、人でなくても。色々な実習をしてみた結果、「痛みが緩和された」「温かくなった」という方も続出でした。

ランチは、皆でベトナム旅行気分。近所のチャオバンブーさんに行き、アジア料理を堪能しました。早くコロナが明けて、ベトナムに行きたいですね~!!

カイロプラクティック理論の応用。西洋医学であっても、他の自然療法であっても、どんな理論もディエンチャンは応用することが可能です。

タム先生は「背中は顔の第一の反射区」として、背骨のケアをとても大切にしています。カイロプラクティックとも繋がることが多いです。もちろん、背骨に直接触れられない場合は、反射区を活用できるのがディエンチャンの良い所です。

高血圧、認知症・高齢者ケア、健忘症、自閉症など。脳に関することは、頭部の直接刺激や、頭部に関する反射区、ツボを活用していきます。

 

交換セッションでは、うつ伏せ、仰向け、座位など、皆さん思い思いのスタイルで、思いっきり癒し合いました。

同じディエンチャンでも、決まりきったルーティンはなく、体質、症状に合わせてケアを行っていきます。スヤスヤという寝息や、ビフォーアフターを比べての歓声が聞こえてきました。

皆さん、セラピーを心から愉しんでいらっしゃいました。素晴らしいです!

 

皆さん、6日間ご参加ありがとうございました。ご卒業おめでとうございます! コロナ禍でも、よくぞ学びに来てくださいました。今だからこそ、できること、人々に伝えたいこと、大切な人にやってあげたいこと、たくさんありますね。ベトナム医道のセラピストマインドを胸に、これからも是非ご活躍ください!

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