SEMINARS & EVENTS

●感染症予防対策として精油を役立てる●
~呼吸器・免疫のためのアロマセラピー開催報告~
2021年(IMSI学院長 冨野玲子)

2021年1月、英国のIFPAアロマセラピスト、カリーナ・コックス先生によるオンラインセミナー呼吸器・免疫のためのアロマセラピーが開催されました。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより英国では厳しいロックダウンが続いていますが、カリーナ先生は、アロマセラピーを取り入れて自分や家族の心身の健康を保っているそうです。

セミナーでは、色々な名言が飛び出しましたが、特に印象的だった言葉は「免疫を上げたければ、テレビを観すぎないこと!」これには、私も色んな意味で激しく同感します。

テレビのニュースを観ると、つい不安になってしまいますよね。新型コロナウイルス感染拡大が大変な事になっている英国では、尚更の事でしょう。そして、普段の生活の中には、笑う、歌う、食べる、寝る、呼吸、姿勢など、免疫を上げるヒントがたくさんあることを学びました。

セミナーでは、カリーナ先生のご自宅とガーデンも見られて、ほっこりとした気分になりました。イングリッシュガーデンを眺めながら、おうちの中でアロマを使って森林浴できるなんて、羨ましいです。

 

セミナーでは、様々な呼吸器系、免疫系のサポートとなる精油を学びました。

  • ティートゥリーは、抗菌、抗ウイルス作用は勿論、免疫系を刺激する代表的な精油だと言われています。
  • ユーカリは、様々な種類がありますが、多くの種類に去痰作用があり、呼吸器系の活性化に繋がります。
  • ラヴィンサラは、ユーカリと似たような作用を持ちますが、よりリラックス作用を持ち、精神面のケアにも活用できます。
  • フランキンセンスは、瞑想に使われる精油で、心身の鎮静作用があり、ストレスで悪化する咳などの呼吸器系の症状におすすめです。
  • 真正ラベンダーは、鎮静作用と抗痙攣作用があり、呼吸を深め、ストレスケアに役立つことから免疫も高めてくれます。
  • ベルガモットは抗菌作用が高く、鬱々とした気分を晴らし、高揚させてくれることで免疫を高めると言われています。
  • ネロリは、精神的な不安によって眠りの質が悪く、免疫低下が気になる方におすすめです。
  • シダーウッド、ブラックスプルース、パインなどの樹木系の精油は、どれも呼吸を深め、心身を温め、うっ滞を除去するなどの作用があり、感染予防には大変役立ちます。

他にも、レモン、ローズマリー、カユプテ、タイム、ペパーミント、ジンジャー、オレンジ、ゼラニウムなどe、たくさんの精油と昼用、夜用のブレンドレシピが惜しみなく紹介されました。

呼吸器系におすすめの精油として「クラリセージ」の名前も挙がりました。日本では、クラリセージと言えば、緊張緩和と婦人科系のケアに使う方が多いのではと思いますが、英国では呼吸器系ケアの代表的な精油の1つです。

私とカリーナ先生両方の恩師で、現IFPA会長であるガブリエル・モージェイ先生の著書「スピリットとアロマテラピー」では、クラリセージは五行の「金の要素」に分類され、「肺の気を強化し循環させ、疲労や浅い呼吸、喘息症状にも適している」と書かれています。

更に、「カタル性の咳や喉の感染症、気管支炎には、クラリセージをユーカリやパインの精油とブレンドすると良い」と書かれています。

は、クラリセージは、喘息持ちのクライアントや呼吸を楽にしたい方、小さなお子さんによく使う精油の1つです。他にも、呼吸器系のケアはしたいけれども、スースーする香りを好まない方には、クラリセージに真正ラベンダー、サンダルウッド、スイートオレンジなどをブレンドしてよく使っています。うちの家族は、あまり風邪を引くことがありませんが、家で精油をたくさん使っているお陰だと思っています。

 

セミナーの中では「インヘーラー」という携帯できる手軽な吸入器が紹介されました。これは、ヨーロッパの病院で広く使われているもので、精油を含ませたスポンジ状のスティックにカバーを被せた、リップスティック程の大きさの物です。精油に直接触れてしまう心配がないので、小さなお子さんや高齢者にも安心してお使いいただけます。

アロマセラピーは、日本では美容やリラクセーションというイメージが強いかもしれませんが、海外、特にヨーロッパでは医療や予防医学に積極的に取り入れられています。

今後も海外の現状をお伝えすることで、少しでも必要な方の手にアロマセラピーを届けていけたらと思っています。

 
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